アニメ『黒執事 -寄宿学校編-』(毎週土曜夜11:30-深夜0:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・FOD・Huluほかで配信)が現在絶賛放送中。新シリーズ第1話放送直後には、Xの日本トレンドで「黒執事」「寄宿学校編」「セバスチャン」のワードが次々とランクインするなど、その注目度の高さが伺えた。今回はそんな本作の鍵となる個性豊かな四つの寮の監督生たち、通称・P4(プリーフェクト・フォー)のメンバー、エドガー・レドモンド役の渡部俊樹、ロレンス・ブルーアー役の榎木淳弥、ハーマン・グリーンヒル役の武内駿輔、グレゴリー・バイオレット役の橘龍丸による座談会が実現。新シリーズ出演の感想や、役の魅力、作品に関連した私生活での“絶対”的な決め事などをきいた。
――アニメ『黒執事』の新シリーズに出演することになった率直なお気持ちをお聞かせください。
渡部:オーディションのお話をいただいたときは、自分が『黒執事』のオーディションを受けるという実感があまり湧かなくて。元々大好きな作品だったので、一ファンとして、単純に「『寄宿学校編』がアニメ化するんだ! やった!」みたいな感覚だったんですよ。当然受からないだろうと思って、結果待ちの間も「P4の声優、誰になるんだろう…」とどこか他人事でした(笑)。だから、合格の知らせを聞いたときは、「俺…?」「しかも、レドモンド役…!」と信じられないくらいうれしかったですね。喜びでいっぱいでした。
榎木:僕は、まずXのほうでアニメ新シリーズの告知を見かけて。「もうオーディション終わっちゃったかな…」と落ち込んでいたら、そのあとすぐにオーディションの案内が来たんですよね。「受けれただけよかったな」と結果を待っていたら、まさかの合格で! とてもうれしかったです。プロになる前から知っている作品に出られることへの喜びと、そして相応の緊張がありました。多くのファンの方々に長く愛されているタイトルということもあって、キャラクターへのイメージもついているでしょうし、その責任みたいなものを感じましたね。
武内:新シリーズのアニメ化発表から長い年月が経っていると思うのですが、実際に出来上がった映像をみて、感動しました。旧作のシリーズから楽しんでいた一視聴者として、当時の印象が蘇ったのとともに、時代を経て、さらに原作の雰囲気に近くなっているなと感じましたね。そういったことも踏まえて、このタイミングで『黒執事』に関われることになったのは、すごくありがたいタイミングだったなと思っています。
橘:皆さんがおっしゃったように、僕自身もずっとみていた作品だったので、それが再びアニメ化することに、まずうれしさがありましたね。そのうえで、バイオレットという役を通して作品に飛び込めるんだと思ったら、とても感慨深いものがありました。自分が若い頃にみていた作品に出演できるというのは、アニメ業界ならではだなあと、改めてこの仕事をしていてよかったなと思う瞬間でもありました。
――本作、演じられているキャラクターについての魅力を教えてください。
渡部:レドモンドの魅力は、まつ毛の美しさと、髪の毛の美しさと、 輪郭の美しさと……(笑)。個人的には、「寄宿学校編」という今回のシリーズを、一番体現しているキャラクターなんじゃないかなと思っています。P4の中でも特に、美しさや優雅さを前面に押し出したキャラクターなので、アフレコ時も大袈裟に芝居をしてもできるだけ品がなくならないように意識をしていました。あとは、一応P4のリーダー格として、かなり個性的なメンバーをまとめ上げているという部分のカリスマ性も彼の魅力ですね!
榎木:ブルーアーは傍からみると堅物な“校則魔人”なんですけど、本質はすごく普通の感覚を持った子で、時にはいじられキャラっぽくもなるのが魅力ですね。レドモンドに名前で呼ばれて反発したり、クリケット大会の前夜祭で姉妹たちに振り回されて焦ったりと、可愛いところがたくさんあります(笑)。
武内:グリーンヒルの魅力は……バット、ですかね(笑)。彼は、肉体から出る美しさが特徴的と言いますか、心身を鍛えることにおいての気高さを体現しているキャラクターかなと思います。そんなところをうまく声に乗せられたらと意識しましたし、彼の人を惹きつける魅力にもなっていると感じました。また、他人にも、そして自分にも厳しい部分も周りから尊敬されるポイントなのかなと思います。
橘:バイオレットはとても寡黙で、P4のメンバーといるとき以外は喋らなさそうなキャラクターですね。僕の役者人生の中でも、こんなに音にしない…と言ったら大袈裟ですが、バイオレットのような役は初めてで。そんな謎めいた人物ではあるのですが、意外と周りを俯瞰でみていて、時折本質をつくような言動をするんですよね。「それ、君が言うんだ」と思わせるような発言、人間臭さみたいなところもちゃんとあって、見た目とのちょっとしたギャップも魅力のひとつかなと思っています。
――メインキャラクターであるセバスチャン、シエルを演じられてる小野大輔さん、坂本真綾さんの印象や収録時の雰囲気はいかがでしたか?
榎木:個人的に、真綾さんとは数年前に別の作品でご一緒していたのですが、久々にお会いしたときに「榎木くん、すごく話しやすくなったね」って言われたんです(笑)。確かに、昔はもっと緊張していて、周りに遠慮していた部分もあったんですけど、今回現場の温かい雰囲気やお二人含め、キャストの皆さんが仲良くしてくださるのもあって、リラックスして参加できたのかなと思います。
橘:やはり、長いことシリーズを重ねているからこその信頼関係があるように感じました。すごく羨ましいなって思うぐらい、お二人は仲がよくて。あと、お二人が話しているだけでその場がほっこりすると言いますか、まるでちゃぶ台を囲んでお話している雰囲気と言いますか(笑)。そんな温かな空間を作っていただけていた感じがありました。
武内:本当にそうですね。長年やっている現場だから、という空気は全くなくて。小野さんも坂本さんも、それぞれの役、そして『黒執事』の世界観をどれだけ引き出せるかをいまだ追い求めている雰囲気を感じました。役の表現にとどまらず、『黒執事』という作品に対しての追求心がずっとあることに、心から素敵だなと思いましたし、自分自身とても勉強になったなと思います。
渡部:ある日の収録で、小野さんが真綾さんに「今のちょっとセバスっぽくなかったよね?」と話しかけていたんです。それがすごく印象に残っていて。間は空きつつも、15年ほど演じられてきたキャラクターで、どこの誰からみても、セバスチャンは小野さんでしかないわけじゃないですか。その小野さん自身が、10数年演じられてきている役を、今でも自問自答しながら研究し続けているということに、底知れぬ探究心を感じて、表現って本当に果てがないんだなと思い知らされました。真綾さんからも、「昔と比べて少年の声を少し楽に出せるようになって、あの時とは違うシエルができる」…みたいなお話を聞きまして。そういったお二人の向上心溢れる姿勢に、役者としてはビリビリくるものがありましたね。
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