「怪獣8号」は大小のアニオリでキャラドラマを昇華させたアニメ化「頬染めてるキコルかわええ」「毎週楽しみ!」

2024/05/13 20:01 配信

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アニメ『怪獣8号』第5話より(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社

変化するキコルの心、アニオリ教練シーンに見えるキャラクターの性格


カフカへの感情で目に見えて分かりやすいのはキコルだ。駐車場での初対面からカフカをライバル視していたが、第二次試験でカフカに救われたことを機に、明らかに向ける感情が変わってきている。合格者にカフカがいないことから不機嫌な気分にいたが、候補生として合格していたカフカが姿を見せるとパッと表情を明るくし、頬をピンクに染める。うれしさもあり、好意も隠せない。

ファミレスで秘密を打ち明けられたときも同様で、SNSには「ちょいちょい頬染めてるキコルかわええ」「キコルちゃんがどんどん可愛くなっていく」といったコメントが相次いで寄せられる。一方で、「私が殺す」と切り返したときのキコルの目は鋭く真剣で、怪獣8号のことを秘密にした責任感と決意が感じられる場面だった。また、カフカがミナ呼ばわりしたとき、一瞬見えたミナの表情には穏やかな微笑があり、きっと彼女もカフカが来ることを待っていたのだろうと思えるカットだった。

これらは原作シーンを上手く演出した箇所だが、今話の後半、お風呂シーン以降にあった教練シーンは大きく追加されたアニメオリジナルのシーンになる。カフカのおっさん具合のほか、訓練中の場面をよく見るとそれぞれのキャラクターの個性が表現されていて、特に歯磨きの仕方は男子たちの性格が分かって面白いところだ。ちなみにミナが連れている白い虎がカフカに唸りを上げていたが、これはもしかしたらカフカから怪獣の匂いを嗅ぎ取ったからなのかもしれない。

カフカに違和感を持つ保科副隊長の気になる動向

キャラクターのドラマが深くなるとストーリーにも俄然興味が沸いてくると思うが、気になるのは保科副隊長の動向だ。カフカをお笑い枠として採用したというが、その裏にはカフカに感じた違和感を突き止めるという意図もあった。今のところ危険視しているということではなさそうだが、この先またカフカが怪獣に変身するような事件が起きればどうなるかは分からない。

そんな人間模様が描かれたところで、怪獣事件が発生。次回はカフカたちの初任務となるが、事態はこれからどう転がっていくのか。放送後のSNSでは「保科副隊長の不吉な予感が当たりそうで怖い」「どんどん面白くなってきてて毎週楽しみ!」「お風呂にあった絵って怪獣討伐の歴史的なやつ?」「EDとリンクする新人隊員の日常よかった」など、様々な感想が寄せられている。

■文/鈴木康道

アニメ『怪獣8号』第5話より(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社