――長谷川博己さんとの共演についてお聞かせください。
長谷川さんはすごく面白いです。役者さんとして初めて見るタイプの方で、明墨という役を現場で作っていくんですよね。自分の役柄を作ってから現場に入る人のほうが多いと思うのですが、ドライ、段取り、テスト、本番とその間に明墨というキャラクターが出来上がっていくのをまじまじと目の前で見せてくれるという。だからもう現場にいるだけで面白いし、楽しいと思いますね。
あとは、長ゼリフは場を持たせるのが難しいのですが、長谷川さんはそれをすごく考えてその場で作っていくので、発する言葉や動きにも新鮮味があります。なので、放送するときにもちゃんと新鮮味を保ったまま発信されているのだろうなと感じています。
――北村匠海さん、堀田真由さん、林泰文さんも含めた明墨法律事務所メンバーの撮影現場での様子やチームワークを教えてください。
ロケがあった後に事務所に戻ると居心地がいいなと感じるぐらいで、ミルも入れたこの6人のメンバーがすごく心地がいいのだろうなというのは、撮影当初から感じていました。私と林さんは、ずっとプライベートの話しかしていないんですよ。だからそれが余計に和むのではないかなと思います。
特に真由ちゃんはいつもニコニコしていて、常にいろいろな言葉に反応してくれるのですが、紫ノ宮は真逆で、クールだし、笑わないし、反応してくれないし…というような役なので、真逆すぎて難しかったと思います。
でも、現場に入ると、紫ノ宮としてちゃんと存在しているし、クールでポーカーフェイスなのですが、繊細な気持ちがちゃんと目と眉毛で表現されていて、そこが彼女の芝居の魅力なのだろうなと思いました。
――同作の魅力はどんなところだと思いますか?
正義と悪は表裏一体で、どう転ぶか分からないということを一番感じています。この前、実際の裁判を傍聴しに行って、殺人犯の判決を見たり、強盗致傷の第1回目の公判を見たのですが、裁判は本当に一日中ずっとやっていて、こんなに罪を犯した人がいるんだなと思って。これが毎日あるとなると、どれだけの犯罪がそこら中にあるのだろうと…。
そこには正義か悪かというものはあまり存在しなくて、いつの間にか魔が差して罪を犯してしまうことが誰にでもあることなんだなと思いました。なので、「アンチヒーロー」という言葉を作ったことに、すごく納得がいったんですよね。
アンチだけどヒーローにもなるし、ヒーローがアンチにもなり得るということがこの作品がうたっている部分でもあると思うので、そこが魅力だし、そこが誰にも判断できない難しいラインだなとすごく感じています。「あなたには何の正義がありますか?」と突きつけてくるのが、この作品の魅力だと思います。
――大島さんが思う正義とはなんですか?
私が思う正義ですか…。法を犯さなければいいのではないですか。それが根底ですね。難しいですけど、人を傷つけないように生きようと思います。
――最終話に向けて考察のヒントがあれば教えてください。
今まで私も一話一話を見ていて、「緋山―!」「伊達原―!」「えぇ、しのりん!?」と、最後の10分ぐらいで毎回そういう思いになって役名を叫んでいたのですが、ようやく「白木―!?」となれるのがうれしくて(笑)。第9話で「白木―!?」となるのですが、第10話でも「白木…」となると思うんですよ。
なので、皆さんがどういうふうに感情を動かされるかをすごく楽しみにしています。最終回でも展開が変わっていくので、楽しみにしていただけたらなと思います。
第1話の冒頭の接見室のシーンから伏線は散りばめられていますし、白木に関しては第7話ぐらいから「あれ?」みたいなシーンがあるかと思いますので、ぜひ第1話から振り返ってみてください。
――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
もう、見ていただけたら分かります。最後の最後に「えぇ!まさか!」と皆さんがびっくりするような展開が繰り広げられていくので、最後まで気が抜けないですし、ギアが上がりっぱなしで終わるので、準備しておいてほしいです。
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