これまで優三が寅子への思いを明確に表すシーンはなかったし、結婚相手に名乗りを挙げた時も「優三さんも社会的地位が欲しいと?」と聞かれて「はい、です!そうです!」と力いっぱい肯定していた。だが、ふいの告白にも唐突な印象はまったくない。優三役の仲野がさりげなく、ひっそりコツコツと積み上げてきた細やかな表現があるからだ。
2度目の高等試験を受けたいと両親に訴える寅子の隣で「僕からもお願いします!」とわが事のように一緒に全力で頭を下げるひたむきな姿や、試験に向けて必死で勉強する寅子を「疲れてる顔をしてるよ」と気遣う表情。寅子に向けられてきた愛情のこもった眼差しや、寅子を全力で応援してきた姿が、なによりの説得力になっている。「優三さんも社会的地位が欲しいと?」と尋ねられて一瞬目を泳がせるなど、本当の気持ちを隠そうとする姿も印象深い。
優三の秘めた思いは、視聴者にもしっかり伝わっていた。ついに思いを伝えた優三に、視聴者からも「良かった!優三さんやっと言えた!」「おめでとう!」といった祝福が続出。「優三さんの見返りを求めない愛が素敵すぎる」「優三さんのそういう奥ゆかしいところが本当に好き」といった声もあり、Xでは2人が結婚を決めた第34回に続けて「優三さん」がトレンド入りした。
だが、戦時色は濃くなっていく一方。5月20日(月)からの第8週「女冥利に尽きる?」予告では「私はどうすればよかったの?」と泣く寅子の姿も…。2人の幸せな結婚生活を願うばかりだ。
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