「今、本当に音楽に懸けているので」家入レオの覚悟と本気

2024/05/21 11:30 配信

音楽 インタビュー

【写真】ドラマ『ミス・ターゲット』主題歌を担当している家入レオ


とことん悩み抜いたし、しんどかったけど、あの時期があってよかった


──音楽をやめる可能性もあった?

そうですね。そのときは本当に音楽が向いていないと思っていたので。音楽しかやっていなかったので自分が空っぽな気がしていたんです。圧倒的に人生経験が足りていないと感じて、自信がなかった。

そういう話を事務所にしたら「ボランティアであれば、いろんなことを経験してきてください」と言ってくれたので、保育園に行かせてもらいました。そこでは2歳児のクラスを担当しました。

──音楽とは違う世界を見てみて、いかがでしたか?

子供たちの目に映る世界って本当にキラキラしているんですよ。赤とかピンクの絵の具に染めた寒天を握ってその感触を言語化してもらうというワークショップがあったんですが、その準備のために私がブルーシートを敷いていたら、子供たちがワーッと騒ぎ出して。「どうした?」って聞いたら、「先生! 海が広がっている!!」って。もうズキューンってしました。

私は東京で悩んでいるけど、違う角度から世界を見たらもう一回頑張れるかもしれないって、そう思いました。とことん悩み抜いたし、しんどかったけど、あの時期があってよかったなと、今は思いますね。

──今お話があったように、家入さんは10代でデビューして、今年で30歳になります。その中で、音楽をつくることや音楽活動をする上での目標ややりがいに変化はありますか?

学生の頃はちょっとひねくれていたので、きれいごとであればあるほど疑ってかかるみたいなところがあったけど、実際に自分が悩み、迷って、でも最終的に人に助けられて、という経験を重ね、今は人に喜んでもらうことが私の歌う意味だと思っています。

以前は、自分が形にしたいものを世に放っていくことで幸せを感じていたのですが、今はそこから一歩進んで、それが誰かのハートと私のハートを結ぶものであるということが幸せだし、それが私の目指す音楽の形になっていますね。ただ自分が音楽をやって気持ちよくなったり、それが評価されることがうれしいとか、そういうことではない気がする。

──自分の音楽で、喜んでもらうことが幸せ。

うん、喜んでもらうことが大事。より多くの人に喜んでもらいたいです。そこが今、私が一番大事にしているポイントかもしれません。

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