――天使のみなさんが歌声を吹き込む際、どんなことを意識されました?
黒木:楽曲としては穏やかなんですけど、元気で弾む感じが欲しいとレコーディング前にアドバイスをいただいて。歌入れ前のメモには「口角上げめ、明るく元気感もあっていい」って書いています。
小峯:私も、「思ったよりも明るく歌ってください!」とディレクションされて、自分の中で一番“軽やかで可愛い歌声”を意識しましたね。
小山:私は、レコーディング時、「自分は少女マンガの主人公なんだ!」とイメージしながら歌いました。
――さすが少女マンガ好きの小山さん。ちなみにイメージしたのはどんな主人公?
小山:『セーラームーン』のエンディングで、うさぎちゃんがひたすら歩いて走っていく映像があるんです。まさにあのように、可憐で軽やかに、髪の毛が跳ねるように可愛らしいイメージで歌わせていただきました……伝わりますか?
――バッチリです!「可憐な乙女のポリシー」な気持ちだったと。
汐入:あと、「とわちゃんになりきって歌って」って言われたよね。
一同:(口々に)言われたね。
――つまり、「天使になりきって!」と。
小山:まあ、なりきらなくても私たち、すでに天使なんですけどね!
汐入:普段通りの私たちでいいから、リラックスしながら歌いました。
黒木:ただ、こう言われたということは、「このレコーディングで、天使の自覚を持ち直しなさい!」ということだよね。
小峯:「あなたたち最近、天使でいることが当たり前になっていない?」って。
小山:そうね、天使としての自覚を再確認しましょう!というレコーディングでした……誰かツッコみなよ。
――(笑)。サウンドもまるで背中に羽が生えたかのような、非常に軽快かつ爽快なポップチューンに仕上がっていますね。
小峯:バックの音が今までのサンドリオンにないタイプなんですよ。こんな可愛くてまろやかでキラキラした曲なのに、よくよく音だけに集中してみると、ものすごくカッコイイバンドサウンドになっていて。けどロック系の音でもなくて……上手く説明できないけど、ギターの音とか、すごく刺さる音なんです。
――ギターのカッティング、ものすごくいいですよね。ベースラインも動きまくり、流麗なストリングスと、シティポップ・フュージョン・AORを通過した音は、小峯さんの言う通りこれまでの楽曲にはないエッセンスが溢れています。
小峯:「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」で、初めて生バンドをバックに『Sunny Canvas』を披露したのですが、ものすごくカッコよさが際立ったステージになったんです。まさか可愛いこの曲で「カッコイイ!」と思うとは、自分でも信じられなくて。「これが渡部チェルさんの曲か!」って、感動しました。
汐入:今までにない曲調ではありつつ、サンドリオンらしさも感じる曲。『ワンルーム~』に寄り添いつつ私たちにしか出せない魅力がたくさん詰まっていて。なんと言いますか、歌詞・曲、全てに“天使感”が出たなあって。
――作・編曲の渡部チェルさんは、数えきれないほどの名曲を生み出してきた名コンポーザーですが、チェルさんの印象は?
小山:もう、私の好きなアーティストさんの曲をたくさん手掛けていらっしゃる方ですので、提供していただけると聞いたときは素直に嬉しかった。チェルさんとお会いした際、「チェルさんの手掛けた曲をこんな時に聞いて、私は育ってきました」と、お伝えできて、そのおかげか心の距離を縮められました(照笑)。
小峯:あら、良い話。すごく気さくな方で、SNSにサンドリオンのことを書いたり些細な私たちの投稿にも反応してくださるんです。この前のワンマンも「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」の配信も見ていただき、すごく温かく迎えてくださっているなあって。あまりにも毎回反応されるので、「私たちのこと、好き?」って勘違いしちゃった。
一同:(爆笑)。
小山:悪い勘違いじゃないよ。好きな人じゃなければ反応しないからさ。
汐入:うん。ファンの方に好きになってもらえるのはメチャメチャ嬉しいのはモチロン、かかわってくださる作家さんやスタッフさんに愛をいただけるのはすごく幸せだよね。
小山:そうだね。(作詞家の)やぎぬまかなさん、MVやライブ映像を撮ってくれるカメラクルー、衣装さん……私たちはかかわる方みなさんと二人三脚で前に進んでいて。そのご縁はずっと大事にしていきたいので、チェルさんもぜひこの先も、サンドリオンと一緒に歩んでもらえたら幸せですね。
――そうですね。あらためて『Sunny Canvas』はみなさんにとってどんな曲になりましたか?
汐入:私たちの大切な新曲であり、『ワンルーム~』というステキな作品を背負う曲です。大切に歌いましたので、ドリオンズに『ワンルーム~』の魅力が伝わったら嬉しいし、逆に『ワンルーム~』を通じて私たちも知ってもらいたい……と、この曲が私たちとみんなにとって、幸せの相乗効果になってほしいなあ。