先日パシフィコ横浜国立大ホールで行われた世界最高峰のストリートダンスコンテスト“Japan Dance Delight vol.24 FINAL”で、見事優勝を決めた「Twiggz Fam」。彼ら「Twiggz Fam」はDanceFactオープニングEVENTにも登場し、会場を盛り上げたのは記憶に新しいですね。今回は彼らが踊る“KRUMP”というジャンルを特集します。
1992年、犯罪発生率も高く情勢不安定なロサンゼルスのサウスセントラルの過酷な状況の中で生きる若者達が、ドラッグやギャングの道から遠ざけ、犯罪に手を染めることなく、厳しい環境を生き抜くための手段として生み出された踊りである。
2006年にKRUMPを題材とした映画「RIZE」が日本で公開され、映画の公開に合わせ“Queen Of Krump”こと「Miss Prissy(ミスプリッシー)」も来日し日本でも大きく紹介されました。「RIZE」の時のKRUMPは感情を表現するダンスが中心でしたが、現在は帽子を使ったトリックやPOPPIN’やBREAKIN’の要素など様々なジャンルを取り入れどんどん進化が進んできています。今やKRUMPは世界中で踊られていて1ダンスジャンルとして確立を果たしました。
JDD(JAPAN DANCE DELIGHT)史上初のKRUMP優勝を飾ったTwiggz Fam! こちらはJDDの予選となる「TOKYO DANCE DELIGHT VOL.18」でのSHOW。この予選作品からガラリと内容を変え本戦に挑み、見事優勝を勝ち取った。優勝インタビューで「暴れるだけじゃなく、次の次の新しいことを探していき、ワンエイトに何時間もかけるような深夜練を重ねてきました。KRUMPでこのようなコンテストで優勝できるということを皆に示せて嬉しいです」と語った。
毎年ドイツで行われている世界一の“KRUMPER”を決める大会「EUROPEAN BUCK SESSION」。この大会で1番の再生回数を誇るアメリカの「RUIN」VS フランスの「MONSTA NY AKA GRICHKA」の一戦。ムーブが決まる毎に観客が入り乱れるKRUMPならではのバトル展開で会場は大盛り上がりです。
ドイツで行われているワークショップ「アーバンダンスキャンプ(URBAN DANCE CAMP)」での「TIGHT EYEZ」のソロパフォーマンス。フィニッシュと同時に大歓声がわき上がり、会場は熱狂の渦に包まれてます。アンコールみたいな状態になり「TIGHT EYEZ」が苦笑いをするという珍しい一コマ。
1992年、ギャングによる抗争や飛び交うドラッグ、貧困、暴力が耐えない情勢不安定なロサンゼルス…。元ドラッグ・ディーラーである“TOMMY THE CLOWN(トミー・ザ・クラウン)”は出所後、過酷な環境で苦しむ子供達を喜ばせようとCLOWN(=ピエロ)の格好をして、HIPHOPをベースにしたCLOWN DANCEを披露し人気を博した。
彼は、このCLOWNで子供達を楽しませるといつしか子供達もそのDANCEを踊り始めるようになり、それは大人にまで広がっていったのだった。ほとんどがギャングの道へ進み、生と死の危険な生活を余儀なくされる多くの若者達に“踊る”という選択肢を与えたのが彼であった。
TOMMY THE CLOWNの弟子であった“Tight Eyez(タイト・アイズ)”を筆頭にMijoやLil C、Miss Prissyなどの若いDANCER達は「楽しませる踊り=CLOWN」から派生させて生み出した「戦うための踊り=KRUMP」を進化させていった。
戦うための踊り…これは、そこに住む彼らにとって厳しい環境を生き抜くための手段としての踊りであり、現実への不満や怒り、葛藤から生まれたとも言える。
特に若い者にとっては、現実への不満や葛藤、怒りから犯罪などに手を染めるよりもその感情や想いをKRUMPで発散させ、やり場のない気持ちやうまく表現できない心の叫びなどといったフラストレーションをDANCEで伝える…。いわば、KRUMPは自己表現の手段であり、生活そのものとなっている。聖地では、KRUMPは彼らの遊びであり、会話でもあり、生活の一部なのだ。(KOB ent.より引用)
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