永瀬廉“透”「僕も共犯者」…“道ならぬ恋”に走る主人公は幸せなのか<東京タワー>

2024/05/23 17:00 配信

ドラマ レビュー

板谷由夏“詩史”にのめり込む永瀬廉“透”(C)テレビ朝日

人間は、自分でも行き着く先が分からぬ方向にまで進んで、戻れなくなってしまうことがある。ギャンブルやアルコール依存症などと似て恋愛もまた、沼におちていくような激しさがあれば、たとえ大恋愛であっても苦しみが付いて回るだろう。現在放送中の永瀬廉(King & Prince)主演ドラマ「東京タワー」(毎週土曜夜11:00-11:30、テレビ朝日系)でも“道ならぬ恋”に突き進む年齢の離れた男女の姿が描かれている。甘美で大胆な性描写が話題の今作だが、物語は中盤を過ぎ、禁断の恋は危険度を増してきた。主人公たちの表情が“幸せそうか、否か”に注目しながら、放送前半を振り返っていく。(以下、ネタバレが含まれます)

“大人の女性”の魅力におちた医大生“透”


恋はするものじゃなく、おちるもの。

これは今作のキャッチコピーとして、宣伝ポスターや公式HPで見る言葉だ。恋というものを本能的に捉えており「一度おちてしまったら逆らえない」ある種の悲壮感がそこにある。恋愛の真っただ中にいる男女の眼には、相手のことしか映らない。まさに盲目状態になり、周囲の声など聞こえなくなった2人の気持ちをよく表している。

直木賞作家・江國香織の伝説の恋愛小説「東京タワー」を連続ドラマ化。2005年には黒木瞳×岡田准一で映画化、2014年には韓国でテレビドラマ化されてきた。同ドラマでは、令和という新しい時代ならではの設定を織り交ぜ、登場人物たちの心の機微を現代の東京で描き出していく。

医大生・小島透(永瀬)が20歳以上年上の “大人の女性”浅野詩史(板谷由夏)と偶然出会い、激しくも切ない“許されざる恋”へと落ちていく。詩史は夫がいる身でありながら、透からの瑞々しいアプローチに心揺れ、引かれていってしまう。戸惑いながらも無我夢中で求め合う男女が主人公だ。さらに透の友人であり、年上女性との恋愛に強いあこがれを抱く大原耕二(松田元太)と、その耕二と禁断の愛に溺れる人妻・川野喜美子(MEGUMI)の、もう1組の“年の差カップル”も同時進行で深みにはまっていく姿が描かれる。

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