公開中のアニメ映画「東のエデン 劇場版I The King of Eden」のAR舞台あいさつが9日、都内で行われ、原作・脚本も務めた神山健治監督、メーンキャストの木村良平、檜山修之に加え、ARシステム設計ユニット・AR三兄弟が登場した。
本作は、'09年に放送されたテレビアニメシリーズの劇場版前編。'11年2月19日、日本への60発のミサイル攻撃を防いだ滝沢朗(声:木村)は森美咲(声:早見沙織)に、ノブレス携帯とあるメッセージを残して姿を消した。それから半年後、咲は滝沢のメッセージを頼りにニューヨークへ旅立つ。
今回の舞台あいさつは、AR(Augmented Reality=拡張現実)技術を使った業界初の試み。AR技術を使って、誰でも気軽に楽しめるさまざまな作品を発表している技術者集団・AR三兄弟が、現実の世界に“東のエデンシステム”を構築。劇中でも登場する“東のエデンシステム”とは、ARの技術を利用した画像認識エンジンによって、カメラをかざすだけで画像を認識し、その画像への情報を書き込み、レイヤーを張り付けることができるシステム。twitterもしくはケータイサイト上から、各キャラクターへ向けてコメントを入れると、リアルタイムで情報が更新される機能も備わっている。AR三兄弟は、リアルタイムコメント機能を使い劇場の大スクリーンにコメントを表示するなど、東のエデンシステムを、実演も交えて解説した。
「今後はもっとAR技術が成熟していく」という神山監督の期待に応えるように、AR三兄弟はこのシステムに追加機能を搭載。テアトル新宿などの劇場で配布されているAR機能入りのチラシをWEBカメラにかざすと、「東のエデン 劇場版I-」のミュージックビデオがチラシの上で再生されるという驚きの現象が起こり、スクリーンでその光景を目の当たりにした観客たちは「おーっ!」と感嘆の声を上げた。木村が「すごいです。感動しました」と感激する一方で、板津豊役の檜山は「さっぱり分からん。ついていけねー(笑)」と半ば放心状態だった。
AR三兄弟は東のエデンシステムを、「アニメの作品世界でひな型ができていたので、それを設計図のように見てそのまま作った。神山監督のARに対する理解は正しくて、未来を見越していたかのような先見性がある」と絶賛。最後は神山監督が現在制作中の「東のエデン 劇場版II Paradise Lost」にも触れ、「舞台あいさつなんかしてないで、早く帰って作れと言われないように…(笑)。いい作品を作っていますので、第2弾もぜひ見ていただきたい」と締めくくった。
なお、“東のエデンシステム”が実際に体感できる「東のエデンプレミアムショップ」が東京・吉祥寺パルコにて1月24日(日)まで開催中。
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