<虎に翼>仲野太賀、伊藤沙莉に絶大な信頼「隣に沙莉ちゃんがいてくれると安心します」印象的なシーンや役に重ねた若手時代を語る

2024/05/24 13:00 配信

ドラマ インタビュー

自分だけで一つの役をやり遂げられる喜びはあります


――一つの役を長く演じることについていかがですか?

長い期間、時代の変化を感じながら一人の役を演じるのは、“朝ドラ”ならではだと思いますし、貴重な経験だと思っています。時系列順に撮影ができるわけではないので、“今、何歳だっけ?”みたいなことはありますが、自分の中にあるものだけじゃなく、衣装やヘアメイクで完璧に役の年齢を表現してくださるので、気負わずにできて助けてもらっています。他の作品だと、同じ役を年代別に他の俳優が演じることもあると思うので、今回は自分だけで一つの役をやり遂げられる喜びはあります。

――好きなシーンを教えてください。

出征前に、二人でいつも行っている河原に行くシーンはすごく印象深いです。そのシーンでは、寅ちゃんが「私のせいで辛い思いをさせてごめん」と謝って、お互いが思いを伝えるんです。寅ちゃんは、社会的な正しさに自分の判断基準を置いていて、そこに苦しめられていて。例えば、自分の弁護した相手は本当に弁護すべきだったのか?とか、社会的地位のために優三さんに結婚してもらったことが正しかったのか?とか。

そういうことに対して、寅ちゃんは自分を厳しく責めたてるんです。でも、優三は、“社会的な正しさじゃなくて、寅ちゃんの心の正しさを大事にしてほしい”と、“誰かのためにいっぱい頑張る人だからこそ、自分の人生も大事にしてほしい”と思いを伝えます。優三の優しさが伝わるシーンになればいいなと心を込めて演じました。

今は恵まれた環境でお芝居をさせてもらっていると思う


――「虎に翼」がキャリアの大きな一つになると思いますがいかかですか

脚本がとても面白いので、僕が優三を演じて足を引っ張りたくないなという思いもありつつ、この作品に参加できて、優三という役に出会えて本当によかったなと思いますし、見ている人の心に届くようなお芝居ができたらいいなと思います。“朝ドラ”は、見ている人の数も多くて、作品を選ばず“朝ドラ”が好き!という人もいると思うので、そういう人にも楽しんでもらいたいです。

――役者人生において、30代の展望はいかかですか?

30代の展望としては、人生は何が起きるか分からないので、予測はできないですが…。今は恵まれた環境でお芝居をさせてもらっていると思うので、良い40代を迎えるために、30代にやれる限りのことをしっかりやり、成熟していけたら良いなと思います。

――役者への情熱は、歳と共に変化はありますか?

ありますね!もっともっと良い芝居をしたいという気持ちは高まるいっぽうで。そのために何が必要なのか、今の自分には何が足りていないのかなとか、日々ぼんやり考えたりします。でも、これをすれば芝居がうまくなるとかはないので、やっていくしかないなと。いい俳優になりたいですね。

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