――優三は高等試験になかなか合格できない役柄ですが、これまでに仲野さんがキャリアの中で体験した悲しいことや挫折を感じた経験を教えてください。
10代の頃からこの仕事をしているので、数えきれないくらいオーディションを受け、何度も落ちました。受かっていた時期もあったんですが、もらえる役が小さかったり、せりふがなかったり、チャンスをもらえたのにつかめない時間が長かったなと思います。
でも、情熱や志はあったので、しがみつくようにいろいろな現場で、自分の可能性を試していました。そんな中で一番の心の支えになったのは、尊敬する脚本家さんや監督さんから「太賀面白いよ!」って、言ってもらえたこと。みんなの注目を集めることは難しいですが、自分の好きな人に、“大丈夫だよ!”って、言ってもらえたことは大きかったです。
――悩んでいた時は誰かに相談していたりしていましたか?
その時期は言葉にしなくても負のオーラが出ていて、僕が何かを言わずとも、こいつ悩んでいるんだなと、一目瞭然だったと思うので、おのずとそういう話になっていってました。
――「虎に翼」の見どころとメッセージをお願いします。
この時代は女性が社会に出て活躍することがこんなにも難しい時代だったんだと知り、また、法律としても、そういう時代だったことに驚きました。そんな女性たちの言葉に出来ないため息のような言葉が脚本に落とし込まれているので、痛快さもあります。
法の世界を目指す物語というと、硬く聞こえてしまいますが、寅ちゃんはもちろん、猪爪家の人など登場人物のキャラクターが個性豊かで、ユーモアにあふれた物語でもあり、いろんな思いを背負った寅ちゃんの生き様が、見ている人の胸に響くと思います。一生懸命頑張っている寅ちゃんの姿を見届けてください。
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