<シークレット同盟>ドラマPが明かす“女装男子”へのこだわりと、キャスト陣の魅力「松井さんは姉、長野さんは弟、長妻さんは太陽です」

2024/05/30 05:00 配信

ドラマ インタビュー

「シークレット同盟」第9話より「シークレット同盟」製作委員会

松井愛莉が主演を務める「シークレット同盟」(毎週木曜夜0:54-1:24、読売テレビ)が現在放送中。原作はLero氏の韓国発の同名コミックで、大学内でも一目置かれるイケメン女子・詩杏(松井)と、そんな詩杏の前に、突如現れた容姿端麗な大学の後輩・律子(長野凌大)、さらに女性専用カフェの料理長、蓮見(長妻怜央)の“ワケアリ”な秘密を抱えた3人が繰り広げる、歪な三角ロマンスとなっている。

この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める伊藤愛氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。

“女装男子”に興味がありました


――「シークレット同盟」の実写ドラマを制作したきっかけは何だったのでしょう?

昔から宝塚歌劇が好きで、ベルサイユのばらなどの中性的なキャラクターに触れる機会が多く、“女装男子”というジャンルに興味がありました。過去に女装男子が出てくるドラマ企画を提案したことはあったのですが、どう3次元の人間で表現するのか…という難しさがあり、実現には至っていなかったんです。そんな中、今回エイベックスピクチャーズさんからの紹介で、韓国のキダリ社のウェブトゥーンを日本で実写ドラマ化してみないかという話をいただき、いくつかコミックスの原作を拝見していく中で「シークレット同盟」に出会いました。

――「ドラマDiVE」という枠では、本作が3作目になりますね。

はい。韓国らしい刺激的な展開もさすがだなと思いましたが、心理描写が繊細でドラマ化しても存在に説得力があり、人間的に欠落した部分があるからこそ、魅力的なキャラクターになるだろうと直感で思いました。ビジュアル的にどう作っていくのかというハードルはありましたが、まだドラマ枠としても新しい「ドラマDiVE」という枠だからこそ、挑戦する価値のある面白い試みになると思いました。

松井愛莉の提案に「意気込みを感じた」


――主演を務める松井愛莉さんの起用理由を教えてください。

松井さん演じる詩杏は、ヒロインでありながらもキラキラした女性像ではなく、男性恐怖症や過去の事件のトラウマという暗い部分を抱えた人物です。ただその一方で、周囲からその苦悩はあまり理解されておらず、一見、誰とも群れないクールな「かっこいい先輩」と思われているというギャップがあります。その2面性を演技力とビジュアルの両方で説得力のある人物として演じ切っていただけると思い、松井さんにお声がけをさせていただきました。

――髪もばっさりと切って、撮影にのぞまれたんですよね?

髪をショートにする、という話は松井さん自ら提案してくださったんです。今回の詩杏という役への意気込みを感じ、とても心強く思いました。また、メインとなる3人が並んだ際にどう見えるかというバランスはすごく大切に思っていて…それを考えた上で、松井さんの抜群の高身長なスタイルは、律子と並んだ時は詩杏はカッコいい先輩に、蓮見と並んだ時だけ詩杏が女の子として見える、という大きな武器になると思いましたね。

――長野さん、長妻さんも魅力的な人物です。起用理由を教えてください。

律子のキャスティングは本当に悩みました。キャスティングにとりかかるにあたって、日本や韓国の女装男子が出てくる実写作品を見てみたり、ボーイズグループがYouTubeやライブの企画で女装企画をしていることがあるので、そんな動画を片っ端から見てみたり…。

その中で、ただかわいいだけじゃない律子を実現できるのでは? と感じたのが長野さんでした。かわいらしい女装をするだけであれば、ある程度メイクなどで作りこんでいけるかもしれませんが、律子の本質はただかわいいだけの女性じゃないので…本来、奥底に隠し持っている狂気や暴走した愛情を長野さんならば目力に宿して表現してくださるのではないか、と思ったんです。

――長野さんは7人組ダンスボーカルユニット「原因は自分にある。」のメンバーでもありますが、伊藤Pは動画を研究し尽くしたんですよね。

ライブ映像を見る中で、長野さんの“表情管理”を目の当たりにしました。曲のワンフレーズでも、さっきまでキラキラスマイルを天使のように振りまいていたのに、振り返った瞬間、鋭い眼光を放つ…その表現力がきっと律子でも生かされると感じました。また「いーあるふぁんくらぶ」という曲の踊ってみた動画を見て、普段のダンスではかっこいいのに、この動画の長野さんはすごくかわいかったんですよね。もともと女性が踊っている振り付けだからだと思うのですが、その些細なしぐさのニュアンスまで表現するコピー力に感服しました。