<響け!ユーフォニアム3>待ちに待った水着回! 和気あいあいな姿にほっこりするも、久美子と真由の会話には「緊張感ありすぎ」の声も

2024/05/24 20:38 配信

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アニメ「響け!ユーフォニアム3」第七回よりⒸ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

葉月も進路が決定し、残された久美子はどうする…


お盆休みの直前、部員たちが教室の大掃除をしていると、卒業生の中川夏紀(CV:藤村鼓乃美)と吉川優子(CV:山岡ゆり)がやってきて、部員たちにアイスを差し入れる。全国にいったら応援に行くと言う優子に対し、来てくれたら部員たちも喜ぶと答える麗奈。昔なら考えられなかった麗奈の大人の態度に、成長を感じるふたりなのだった。こうしてお盆休みに入った久美子は、加藤葉月(CV:朝井彩加)とふたりで大学説明会に参加。いろいろなブースを回ってヘトヘトとなったふたりは、喫茶店で休憩し、将来について話をする。葉月は副顧問の松本美知恵(CV:久川綾)からの提案もあり、短大へ進学して保育士になることを決めるも、久美子は依然として進路未定。そして、進路の話は家に帰っても続く。帰省中の姉の黄前麻美子(CV:沼倉愛美)は「やりたいこと優先」、対して母は「安定を優先」とバラバラで、久美子の悩みはますます深まるばかりなのだった。

これまでもたびたび描かれてきた久美子の進路問題だが、今回も大きくクローズアップ。久美子と同じく進路を決められていなかった葉月がついに保育士になることを決意するなど、いよいよ追い詰められてきた感のある久美子だが、それでも安易な進学はしたくないと悩み続ける姿が印象的だ。「部長」という責任感もあり、学校ではどこか背伸びをしたような大人の振る舞いを見せている久美子だが、葉月や家族との会話では久しぶりに気負いのない素顔を覗かせており、観ているこちらもホッと一息つけるシーンとなっている。

真由に抱いていた苦手意識の正体に気づく


お盆休み最後のイベントはプール。久美子が声をかけ、低音パートを中心に十数人が参加。みんながプール遊びを楽しむなか、ひとりきりになった真由を見かけた久美子は、思い切って話しかける。他愛のない世間話から始まった会話だったが、やがて真由は、普通の人よりも「自分」というものがなく、たいていのことはどちらでもいい人間であることを告白。久美子はその話を聞き、真由に抱いていた苦手意識の正体が「中学時代の自分とダブる」からであることに気づくのだった。

視聴者もお待ちかねだったプール回だが、手放しでは楽しめないエピソードとなった。もちろん水着姿で無邪気に遊ぶキャラクターたちの姿は観ていて微笑ましいのだが、それと同じくらい真由の深くて暗い闇も心に刺さってきて、そのギャップがなんとも複雑な気持ちにさせる、異色のシーンに仕上がっている。とくに、これまでずっと前を向いて話していた真由が、最後に久美子の目をみて「そういうのがまったくない人のこと、本気で好きになることは絶対にないって」と真顔で言い放つシーンは背筋がゾクッとするような不穏さがあり、改めて一筋縄ではいかない人物であることを思い知らされる。ただ、これまであやふやだった久美子の真由への苦手意識の根源がハッキリしたのは良いことだろう。真由もまた、久美子に対してやっと素直な自分の気持ちを打ち明けたわけで、ふたりの関係性が新たなステージに突入するのは間違いなさそうだ。これにはSNSでも「ユーフォの水着回はいつも不穏w」「緊張感ありすぎだろ!」などの声が寄せられていた。

今週は久美子と麗奈の痴話喧嘩から始まり、大学説明会での葉月との会話、黄前家での家族の会話、プールで明らかになった真由の本心…と、学校以外でのイベントが盛りだくさんなエピソードだった。お盆休みも終わり、これからは関西大会に向けての追い込みが始まると思われるだけに、みんなが元気にはしゃぐ姿を見れたことは素直に嬉しい。さて次回第八回は5月26日(日)放送予定。期待して待とう!

■文/岡本大介

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第七回よりⒸ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024