そのような青寮の努力の背景も相まって、最終対決である緑寮・寮長のハーマン・グリーンヒル(CV.武内駿輔)とロレンス・ブルーアーの攻防戦、グリーンヒルが振りかざしたバットが額に当たるという事故で額から血を流しながらも得点を取りにいったシエルの姿はドラマティックで、人々の感動を促したのだ。
感動的なシーンで本作のオープニング主題歌「狂信者のパレード -The Parade of Battlers」(音羽-otoha-)のアレンジ版が流れるという粋な演出もあった。
試合は1点の僅差で青寮の勝利。父のヴィンセント・ファントムハイヴ(CV.興津和幸)が起こした「碧の奇跡」をシエルが再び呼び戻した瞬間でもあった。また、校長主催の「真夜中のお茶会」への招待券を掴むべく目論んでいた“お涙頂戴という展開で点を取って寮を優勝に導く”というミッションを遂行している点も、さすがである。
そんな大会の様子にSNSからは「なんか、スポコン作品観てる感じだった。勝つとは思わなかったから…すごい!」「予想外に胸熱な試合だった」「クリケットの名試合を見た 素晴らしいスポーツアニメクリケットだった」とのコメントが寄せられている。
シエルたちが決勝戦をしている裏側でセバスチャンは大会を観戦しにきた本校の校長を尾行していた。
しかし、いくら追いかけても距離は縮まらない。強行的に接触を試みるも、その途端に気配を感じさせることなく姿を消した校長に、「人間」ならざるなにかを感じてしまうに違いない。悪魔であるセバスチャン自身も何か違和感を抱えている様子で尾行は終了する。
次に校長と接触できるのは、やはり「真夜中のお茶会」なのだろうか。
◆文/笹本千尋
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