コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サンデーS増刊に読み切り作品として掲載された話題の人気作品「笑う門だよ福音さん」(小学館)をピックアップ。
作者の箭坪幹さんが4月25日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて5000以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では箭坪幹さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
福音エマは重度のゲラで、突然笑いのツボが入る女の子。しかし、小学生の頃ゲラの事で距離を置かれてしまったことがきっかけで、人前で笑えなくなってしまった。
そんなエマの幼馴染である怜は、エマのゲラを取り戻そうと決意する。そして、人前で笑うことに対して抵抗が消える“騒音チャレンジ”を思いついた。笑い声が目立たない騒がしい場から徐々に静かな場所に行き、声量や笑い方を調整していく作戦だ。
この作戦の効果は順調に現れ、エマはカフェテラスで笑えるようになった。しかし、何かが違う気がした。怜の目標はエマの“日常の笑い”を取り戻すことだったから…。
そこで、怜はクラスメイトの前で渾身のボケを披露しエマを思いっきり笑わせた。すると、これを機にエマは人前でゲラを曝け出せるようになり、すっかりクラスの人気者になった。怜はエマの“日常の笑い”を取り戻すことに成功したのだ。
本作は幼馴染の笑顔を取り戻すために奮闘する姿を描いた心温まるストーリー。読者からは「いい話」「幸せな気持ちになりました」「感動した…」「素敵な作品」など多くのコメントが寄せられている。
――「笑う門だよ福音さん」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ネタを捻り出している時、ふと思い出した映像がありました。テレビの企画だったのかどうかも定かでは無いのですが、静かな空間で1人が笑い出すと、周りの人達がつられて笑い出し、結局その空間にいる全員が爆笑するというものでした。「笑い一つで知らない誰かと楽しい気持ちが共有できるなんてすごい!」と当時感じたことを覚えていて、それをきっかけに今作が生まれました。
――エマのかわいらしい笑顔がとても印象的ですが、本作を描くうえでこだわった点があればお教えください。
常に笑顔のエマと対になるイメージで落ち着いた印象の怜を描いたのですが、クールにさせすぎないように気をつけました。エマの楽しい表情が伝染して怜の表情も豊かになっている…という状況を表現したいと思って描いていたので、結果、そこが1番のこだわりになりました。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
怜とエマがゲラ克服の為に2人で色々なところを巡るシーンです。学校外での2人の日常を描くことでよりキャラクターに深みが出たらいいな、と気合を入れたシーンなので、個人的に思い出深く、気に入っています。
――「今年いちばん好きなマンガ」「幸せな気持ちになりました」などの反響がありましたが、コメントを読んだ時のお気持ちをお教えください。
とても嬉しかったです!実は雑誌掲載時、初めてファンレターをいただいたのもこの作品でした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!
――今後の展望や目標をお教えください。
漫画を描き始めてからずっと、「読んだあと、ちょっと気持ちが前向きになる漫画」を目指しています。自分にとって主軸がブレないようにする戒めでもあり、今後の作品でも変わらず目指していきたい目標です。
――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。
ただ今作画担当で「廻天のアルバス」を連載中です!今作で物語の制作はしていませんが、キャラクターデザインや表情など、色々なところに散りばめた箭坪ポイントを是非楽しんでください!!
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