ミュージカル「テニスの王子様」や舞台「魔法使いの約束」など、人気作に出演し注目を浴びる森田桐矢。デビューから10年以上が経ち、今改めて感じる俳優業への思いや、ターニングポイントを聞き、彼の真の姿に迫った。また、6月から上演される舞台「魔法使いの約束」最新作の見どころも語ってもらった。
ーー中学生のときにデビューした森田さん。実は芸能界にはあまり興味がなかったとか。
親はアイドルになってほしかったかったみたいで、小学生のときは履歴書用の写真を撮ろうってたびたび言われていたんですが、興味がなくて頑なに拒否していたんです。
きっかけは、中3のときに当時大好きだったバンドのポップアップストアが原宿に出店されると聞いて、夏休みに初めて原宿に行ったときのこと。そのときに、何人かスカウトさんに声をかけていただいたんですが、その中の一人が今の事務所の方だったんです。
もらった名刺を親に渡したら事務所に連絡をしたみたいで、翌週には親と一緒に事務所に伺って、その週末から事務所のレッスンに通うことになり…と、所属はスピーディーに決まりましたね。夏休みの始まりはただの中学生だったのに、夏休みの終わりには芸能事務所のレッスンに通うなんて夢にも思わなかったです。
ーー小学生のときには興味がなかったのに、お気持ちが変わったのはどういった理由だったんですか?
レッスンに通うのは、習い事が増えるみたいな感覚でしたね。当時は塾、空手、サッカー、英語塾など週7日習い事があったので、土曜のサッカーがレッスンに変わったな、くらいの気持ちでした。
ーー習い事の一つという感覚から、仕事だと感じた瞬間はありましたか?
しばらくレッスンに通った後、オーディションを三つ受けたんです。そうしたら二つ受かって、一つが広告の仕事だったんですが、その広告が地元の大きな商業施設にデカデカと貼り出されて、友達みんなからの評判がよかったんです。それが何だかすごく楽しい、芸能っていいかもって思えて。そんな些細なことから始まりました。
ーーそれから10年以上も続けているんですもんね。
実は、高校卒業と同時に芸能界を引退しようと思っていたんです。「なら婚」(2013~2016年、日本テレビ)というテレビ番組を見て、当時はウエディングプランナーになりたいなと思っていました。受験する学校も決めて、最終進路希望を学校に出したその日の帰り道にマネジャーさんから「ミュージカル『テニスの王子様』の出演が決まりました」って連絡がきたんです。
そこから一気に進路が変わりました。スケジュール的に学校を卒業するのも単位がギリギリになってしまうし、受験も日程が厳しいので、進学は置いておいて、まずは卒業が目標になって。
“テニミュ”は反響の大きさもすごいし、自分が演じた結果が明確に評価されるようになって。プラスなこともマイナスなことも聞いて、それがうれしかったと同時に、俳優業を本気で頑張ってみたいと思うきっかけになりました。
その後もお仕事をいただけるようになって、一つ一つ集中して頑張っていたら、今になっていたって感覚です。
ーー今振り返ってみると、俳優の道を選んだことは運命的だったんですね。
今思うと、ウエディングプランナーは向いてなかったかもって思うんです。大人になって、自分自身が偏屈な人間だってことに気づいてしまって…(苦笑)。
ーーご自身を偏屈だなと思うきっかけは、何かあったんでしょうか?
俳優って、しっかり計算して演じたり振る舞ったりできる人と、スーパーナチュラルで演技をこなしちゃう人と2通りいると思うんです。昔は自分がスーパーナチュラルだと思っていたんですけど、そうでもないなと気づいてきて。スーパーナチュラルな人って明るい雰囲気の人が多いけど、自分はそもそも根暗だし(笑)。
「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」で共演した寺坂頼我くんは、特に衝撃的でしたね。すごくいい子だっていうのは、共演前から周りに聞いていたんですけど、実際に会ってみたら本当にまぶしいくらいいいやつで。頼我くんのことを悪く言う人は誰一人としていないし、コミュ力が高いんですよね。
大阪公演の後に、京都観光をしてから帰ろうかなとスタッフさんに話していたら、「頼我、一緒に行ってあげなよ」ってスタッフさんが声をかけてくれて。頼我くんは名古屋にすぐ向かうと聞いていたのに、嫌な顔せずに「いいですよ」って二つ返事だったんです。え〜! 付き合ってくれるの!?って。結局、大雨で頼我くんとの京都観光は実現しなかったんですが、「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」の第2弾でまた共演できるので楽しみです。
ーーせっかくの機会に、まさかの大雨! ちなみに、休日は出かけることが多いんですか?
引きこもることが多いです(笑)。休日は、今日はまるっとだらけるって決めた日は何もしないこともありますけど、連休になったら必ず片っぽは“生産性がある日”にして、片っぽは“生産性のない日”にしてみたいな感じで分けてますね。“生産性ある日”は、とにかく物作りをしています。
小さい頃に親と一緒にガンプラを作ったのがきっかけで、物作りが楽しいなと思ったんですよね。うちの親は仕事はまったく関係ないんですけど、銀細工とかを作ったりしてたんで、そういうDNAはあるかもしれないです。
レザークラフト、3Dプリンター、レジンを使ったアート系、シリコンを使っていろいろ型取り、DIYもします。物作りが私の原点なので、何でも作ります。
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