コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、Souffleで連載中の『おかしの家のマダムさん』(秋田書店)から『駄菓子屋のおばあちゃんは、かっこいいマダムだった。』をピックアップ。
作者のharaさんが5月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.9万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・haraさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
主人公・田巻萌(たまきもえ)は小さい頃からクッキーの壁、チョコのれんが、飴のガラス窓でできたようなおかしの家に憧れがあった。
ある日、寄り道して帰っていると知らないボロボロの商店街に入り込み、あるだがしやさんを見つけた。そこにはアルバイトの募集が告知されていて、加えてお店の名前には「おかしの家」とついてあり、魅力に感じる萌だった。しばらく眺めているとドアが開き、マダムが出てきた。萌はおかしの家に住んでいる魔女だ、と思いとっさに帰ってきてしまった。
次の日、萌は学校で友人にボロボロの商店街について尋ねる。熱意を持って話す萌に「おかし好きなの?」と笑顔で聞く友人。その質問に、昔、「おかしが好きだからぽっちゃりしている」と言われたことがトラウマでうまく返せなかった。
家に帰った萌は、昔よく読んでいたおかしの家が出てくる絵本を手に取った。やはり想いが募るが、魔女のようなマダムを思い出して頭を抱える萌だった。
翌日、再び商店街を訪れると魔女は小さい子に絡まれていた。その様子を見て、声をかける覚悟を決めた萌。「おかしをつくるのが好きで…」と魔女に向かって話始めた。
小さい頃からの夢を語る萌に「素敵な夢ね」と返す魔女。おかしの家で思い出した、と2人でおかしを食べることになった。萌はアルバイトをしたい旨を伝えるが、魔女は萌のキラキラに圧倒されてすぐに良い返事ができない。
そこに商店街からの立ち退きを勧める人物が現れ、萌の行く先が意外な展開に…。
萌のおかしへのまっすぐな想いとそれを受け入れる魔女のようなマダム。一見正反対の2人がまさかの方向性へ進む物語に「ほっとする優しい漫画」「優しさがぎゅっと詰まっている」と話題に。「めちゃくちゃ心がほぐれた」「疲れた心を癒してくれる」と癒しの効果もあるようだ。「懐かしい」「わたあめみたいな香りのする漫画!」「駄菓子食べたくなってきた」「お菓子の家作りたくなった」とおかしへの想いを膨らませる読者も見られた。
――『駄菓子屋のおばあちゃんは、かっこいいマダムだった。』を創作したきっかけをお教えください。
連載にあたりどんな漫画を描こうかと考えている時に、「見た目も性格も違う女性コンビを描きたいな」と、お話よりも先にキャラクターが浮かびました。
ほとんど今のままのデザインでひよりと萌がまず生まれて、そこから「この2人がどんな場所で出会ったら面白いだろう」「どうやって仲良くなっていくんだろう」と、担当さんと相談しながら作り上げていきました。
――作中に登場する「スノーボールクッキーのアレンジ」のようなお菓子作りの発想はどこからくるのでしょうか。また、好きなお菓子はございますか。
その回のキャラの行動や出てくる駄菓子に合わせて、連想ゲームみたいにレシピを想像しています。例えばスノーボールクッキーのアレンジの回だと、作中にきな粉棒が出てくるので、そこから「きな粉をまぶして、当たりつきの仕掛けもできて、比較的すぐ作れて、タッパーに入れて持ち運べるお菓子って何かな…」といった感じです。
好きなお菓子はたくさんあるのですが、小さい頃からずっと好きなのはグミです!柑橘系の味が好きなので、見かけるとつい手に取ってしまいます。
――キャラクター(デザインも含めて)へのこだわりについてお教えください。
主人公の萌はぽっちゃりめの女子高生で、ひよりは65歳のマダムなのですが、2人の体型や顔・腕のシワなどをなるべく身近で自然体なものとして描きたいな、と思っています。
読者の方から、「萌ちゃんの体に合うおしゃれな服が自然に出てくるところが好き」「ひよりの二の腕のシワの描き方が良い」と感想をいただくと、とても嬉しい気持ちになります。
――特にお好きな回やセリフなどございましたら、お教えください。
1話14~15ページの、萌がお菓子作りが好きなことを打ち明けるシーンと、それに対して「素敵な夢ね」と返すひよりのセリフがお気に入りです。この時点ではまだふたりともお互いのことを全然知らないのですが、そんな中ちょっと勇気を出してみた萌とそれを受け入れてくれたひより、友達への第一歩となるシーンだなあと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
イラスト制作やエッセイ漫画を経て初めての創作漫画連載ということで、いろんな方々に支えていただき日々勉強しながら制作しておりますが、どの表現や媒体でも、見てくださった方が少しでも安心したり、楽しんでいただけたり、ホッとしたり、ワクワクしたりするような、そんな作品作りを今後も続けていけたらなと思います。
――最後に楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いいたします。
以前から私の制作を応援してくださる皆様、また今作きっかけで知ってくださった皆様も、本当にありがとうございます!ほんのちょっとでも皆様の心の支えや楽しみになる作品がつくれるよう、これからも頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。
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