“華流スター”チャン・ビンビンの美しさ&ギャップに沼落ち「月歌行」の魅力 ヒット作から読み解く中国ドラマの面白さ

2024/05/31 11:30 配信

ドラマ コラム レビュー

話数の長さを感じさせないテンポの良さ


中国ドラマは24話以上の長編作品がほとんど。ワンクールの日本のドラマに慣れている方にはそれが敬遠の理由となっている向きもあるようだ。しかし、「月歌行」においては心配はいらない。物語の軸は、陸離と柳梢のロマンス、人間と妖の戦いであり、主役の2人に関わる人物は個性豊かで覚えやすい。馴染みのない華流俳優でも、数話見るだけで登場人物たちに感情移入していくことだろう。また、コミカルとシリアスのバランスも絶妙で、全体的にテンポよく進んでいく。

毎話に大きな山場があるのもポイントだ。第1話では陸離と柳梢の出会い。第2話では武揚候府の新弟子試験に向けた特訓。第3話では陸離の恋のライバルとなる人物が登場…と、続きが気になる展開作りが実に上手い。もしかしたら中国ドラマをエンタメ後進ジャンルと捉えている方もいるかもしれないが、現実には10億、20億という製作費を投じている作品も多く、映像のスケール感には目を見張るものがある。

VFXを駆使した妖との手に汗握るバトル、陸離が術で作り出す幻想的な異境、古代中国を思わせる荘厳な建造物など、スケール面、ビジュアル面でも長編にふさわしい中国ドラマ「月歌行」。現在、同ドラマは映像配信サービス「Lemino」にて独占配信中となっている。

文/帆刈理恵(スタジオエクレア)