幸村チカ(鈴木保奈美)は、谷元遊星(磯村勇斗)からの密告により大輔(中島裕翔)の素性を知る。甲斐を責め、警察に突き出すべきだと主張するチカ。しかし甲斐は、すでに実務をこなしている大輔のことが表沙汰になればファームは終わりだと言い放つ。その際、甲斐は、澤田が柳の件で動いているとチカに報告した。柳は、10年前に裁判を有利に進めるために証拠隠しをしていたのだという。甲斐が検察を辞めたのもそれが原因だった。チカは、柳の件は責任を持って処理するよう命じると、大輔のことは自分が預かる、と甲斐に告げる。
そんな折、甲斐のもとに澤田がファームに直接乗り込んできて、ファームが騒然となる。甲斐は澤田に余裕の応対を見せる中、澤田は柳が証拠隠しをしていたという事実を証言するように執拗に迫り「甲斐の弁護士資格のはく奪」さえもほのめかす。
市川團十郎の登場で、物語のクライマックス感が増した。これまでの「SUIT/スーツ」で、甲斐はあくまで大輔の偉大なる先輩であり、余裕のある男性として描かれていたが、過去を知る柳や澤田に周りをウロつかれることは甲斐にとって面白いことではない。別の仕事をしていても普段より苛立ちを感じさせ、ちょっとしたことで声を大きくなってしまうなど、織田の細やかで迫力満点の演技が堪能できる。
中でも、大輔と争っていた蟹江貢(小手伸也)がPCに残されていた書きかけのメールをのぞき見て姑息な手段に出た際、甲斐が「不正を働いた人間が偉そうに。自分を正当化するな!」と凄んだシーンは、周りをゾクッと震え上がらせていた。やっぱり織田裕二は、正義感が似合う。どんなピンチになろうとも、ひっくり返してくれそうな印象は最終話まで続きそうだ。
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