コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画制作チーム「studioHEADLINE」が手がけた『女魔王様はゆうしゃくんを倒せない。』だ。
同作は作画が春日旬さん、原案とネーム構成があやめゴン太さん、そして、制作はstudioHEADLINEが担当しており、ヤンチャンWebで連載中の作品。1話に当たる作品が studioHEADLINEのX(旧Twitter)に投稿されると、3.5万もの「いいね」を獲得して注目を集めた。
女魔王アビスは、まだ子供である勇者「ユウ」を始末するために彼の元へ向かう。
そして、ユウと対面して非道な方法で彼を殺すのかと思いきや、勇者は「師匠!!」と言ってアビスのもとに駆け寄る。さらにユウは「今日も来てくれたんですね!」と満面の笑みで話しかけ、「ユウよ 勇者の修業はどうだ?」と応えるアビス。実は、アビスは自身が魔王であることを隠しながらユウに師匠として近づき、彼を監視していたのだった。
隙があれば葬ると思っているアビスだったが、彼の純真無垢な様子に愛おしさを感じており、本来の目的を達成できないでいた。
そして、アビスとユウは力比べのために腕相撲で勝負。ユウは手加減したアビスにも歯が立たず、簡単に負けてしまう。悔しかったのか、「こんなに弱いんじゃ 世界を救えないよぉ〜」と泣き叫び、そんなユウを見ていたアビスが咄嗟に取った行動は…。
女魔王と勇者の仲睦まじい様子に、読者からは「確かにユウが可愛すぎる」「女魔王がキュンッとしてるの刺さる」など好評の声が続出している。
そこで原案とネーム構成担当のあやめさんと、studioHEADLINEの代表であるひろせたくじさんに、同作について話を伺った。
――『女魔王様はゆうしゃくんを倒せない。』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
あやめさん:原案・ネームを担当した「魔女ノ結婚」が終了するにあたり、チーム内で「次回作のアイディアを出そう」となったのがきっかけです。
「師弟関係」「ツンデレだけど世話焼き」「敵対関係」などなど…自分の萌えるキーワードを元にアイディアを出す内に「魔王と勇者」にたどり着きました。最初は男同士のコンビをイメージしていましたが、企画を揉むうちに「年上のお姉さん魔王の方がいいね!」となり、今の形に落ち着きました。
ひろせさん:あやめさんが言うように、チームで商業連載していた「魔女ノ結婚」が終わり、次回作の企画のアイディアを考えている時にあやめさんの企画がチーム内での評価を得て選ばれました。そして、あやめさんと監修の自分とで企画をブラッシュアップする際に、監修としてはネームを担当するあやめさんが乗れつつ読者が居そうなジャンルに落とし込むということに注力し、今の形になりました。
――『女魔王様はゆうしゃくんを倒せない。』第1話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
あやめさん:第1話ではキャラの魅力と二人の関係性をわかりやすく伝えることに注力しました。「魔王と勇者」かつ「師匠と弟子」、そこに板挟み状態の女魔王様、一方の勇者は何も知らず純粋に師匠を慕う…。このちぐはぐな状況を読者の皆さんに楽しんでもらいたいと思いました。
また、私が特にこだわった点は「キャラの表情」です。コメディということもあり、キャラの喜怒哀楽をたくさん盛り込みました。特に女魔王様は凛々しい顔からニヤニヤ顔まで表情のバリエーション豊かです。勇者も子供らしい無邪気な表情を余すことなく見せています。この辺りもぜひご注目ください!
ひろせさん:第1話では、まずキャラの関係性、企画感(ジャンル感)、そしてそれが伝わるインパクトのあるシーンを入れ込むことを大切にしているのですが、あやめさんの言うように1話目で特に苦労したのは立場による魔王の葛藤(キャラの関係性)ですね。ただ単に勇者の可愛さにやられてしまうと、キャラがブレてしまうので、そこは2話目以降もこだわっています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
あやめさん:勇者の泣いちゃう顔が特にお気に入りです。思わずギュッと抱きしめたくなる…女魔王様の気持ちがよくわかりますね。
ひろせさん:勇者が泣いているシーンからの魔王様が抱きしめるシーンですね。絵力も相まって1話目が成功したと思いました。
――魔王アビスのデザインは、どのような着想を得て手がけるに至ったのでしょうか? また、魔王アビスにおいてのこだわりや描く際に生まれたエピソードなども、ぜひ教えてください。
あやめさん:ネーム段階で仮デザインを考えるため、色々なタイプの魔王のイラストを資料として集めていました。それらを見ている内に、強くてカッコイイ筋肉質な女性のイメージに固まってきました。アマゾネス…女性戦士や女性プロレスラーに近い感じですね。
なので、女魔王様のファイトスタイルは肉弾戦です。今後、戦うシーンが登場した際は女魔王様の戦い方にもぜひご注目ください。また、作画担当の春日先生に何パターンかデザイン案を出してもらった際、シルエットで「魔王」と一発で分かるように角のデザインにこだわりました。おかげでとってもカッコイイ角になりました!
ひろせさん:あやめさんのラフデザインから、春日さんにデザインをブラッシュアップしていただいたのですが、強さと母性を兼ね合わせたキャラにするためにムキムキ筋肉と金髪・褐色・衣装のセクシーさを良きバランスで組み合わせをリクエストしました。
春日さんのデザインセンスが、あやめさんのイメージに合わさって素晴らしいデザインになったと思います。角はチーム内で3Ⅾを担当する、とがわさんに作っていただき、よりカッコイイキャラになりましたね。
――今後の展望や目標をお教えください。
ひろせさん:チームは「みんなで面白い作品を作って、世の中を面白くする!」をモットーに掲げて作品を作っているのですが、今後もそのモットーにブレずにたくさんの作品を作っていければと考えております。近い目標としては、商業連載は常に2本回して単行本は合計10冊以上出したいですね。大きい目標としては、作品のアニメ化を目指しています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
あやめさん:女魔王様と勇者の師弟の絆が深まるにつれ登場人物も増え、今後さらに面白くなります!どうぞご期待ください!また、私個人の連載作品『ケモ耳少女の幸せごはん』が5月14日よりwebアクションさんで連載スタートしました。『まゆたお』とは少し異なるファンタジーとごはんのお話です。ぜひチェックしてみてください。
ひろせさん:『女魔王様はゆうしゃくんを倒せない。』は、今後も2人の関係性を主軸にたくさんのキャラが出て盛り上がっていきます。魔王と勇者の宿命の2人がどんな関係性になっていくのか、ぜひ読んでみて下さい。
それとチームでは、現在『女魔王様はゆうしゃくんを倒せない。』の他に『終わるセカイの修学旅行』をコミック熱帯さんで連載中です。『終わるセカイの修学旅行』はクライマックスに突入しますので、ぜひ読んでいただきたいです。
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