コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップしたのは、漫画家のあんまりひどいさんによる作品『なでるだけのお仕事です！』だ。
同作はPASH UP！で連載中の作品で、人類滅亡後に復元された主人公の女性会社員がぬいぐるみのような生物「ヒル族」に出会うという物語。第1話に当たる「人類復元」がX(旧Twitter)に投稿されると、注目を集めたようで1.6万件の「いいね」が寄せられている。
そこで作者であるあんまりひどいさんに、同作を手がけた経緯やこだわったポイントについて話を伺った。
遅くまで働いて帰路についていた会社員の望流木かいな。道端にいた猫と戯れていると、突如としてスマホからミサイルアラートの警告音が鳴り響き、さらに3分後に周辺に着弾することが伝えられる。焦ったかいなは転んだ拍子にヘドロ沼に落ちてしまい、そのまま意識を失うのだった。
そして、かいなが覚醒すると、目の前には、ぬいぐるみのような謎の生き物が立っており、「はじめまして… 我々はヒル族という種族です」「そして わたくしは タカギ博士と申します」と自己紹介をされる。
理解が追いつかないかいなだったが、さらにタカギ博士から「人類様が絶滅されてからおよそ3万年ほど経っております」「我々ヒル族が進化・繁栄し この地を治めております」「あなた様は地底湖から出土した化石から我々の手によって復元させていただいた次第です」と驚きの事実が次々と明かされていく。
タカギ博士によれば、かいなを復元したのは、天敵であるマ族の侵略からヒル族の国を救ってほしいため。しかし、信じられない事態に頭がキャパオーバーしたかいな。そして、ヒル族たちはかいなに「かいな様が過ごしやすいよう してもらいたいことやしたいことをおっしゃってくださいね」と伝えると、かいなは、あることをお願いをして…。
かいなとタカギ博士を中心としたヒル族とのやり取りに対し、読者からは「ヒル族可愛すぎるでしょ」「私も触りたい」といった反響が多数寄せられていた。
――『なでるだけのお仕事です！』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
もともとぼんやりした世界やキャラが脳内にいくつかありまして、今の担当さんに商業連載に向けてお声がけいただいた時に、連載向け企画にしたものです。このお話に関しては人類絶滅後にふわふわした平和な生き物が苦楽のある社会生活を営んでいたらいいな～という妄想がきっかけのひとつでしょうか。
――『なでるだけのお仕事です！』第1話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。
ふわふわのぬいぐるみのような生き物が化石から人類を復元するまでの科学力を持っているおかしみとかわいさを感じていただけたらうれしいなと思います。あるいは、かいなになでられる瞬間のタカギ博士のぎゅっとしたお目々とお手々を見ていただけたらうれしいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
1つ選ぶなら復元されたかいなが問題なく喋るのを見て喜ぶタカギ博士の一連のシーンでしょうか。脳機能と記憶の復元はとても大変かつ重大な懸念だったと思うので、彼の苦労と安堵が伺えますね。
――作中に登場するヒル族がとても愛くるしい見た目ですが、同作を描くにあたってヒル族が誕生した経緯などを教えてください。
ヒル族はもともと自分の創作作品にたまに出てくるキャラクターで、この世界でヒル族という名前がついたものです。スターシステムですね。気がついたら脳内に存在していたので、誕生の経緯ははっきりしていません。個体識別のしにくさと基本のにこにこ顔からあまり表情が変わらないところとおしりがチャームポイントです。
――今後の展望や目標をお教えください。
『なでるだけのお仕事です！』については考えたお話を最後まで描かせていただけたら＆描く力があるといいな～というのが一番の思いです。創作活動全般については、まずは自分がおもしろいと思える漫画を、細く長く心身ともに健康に描き続けていきたいと思います。近々の目標としては主人公のかいなをもっとかわいく描いてあげられるように絵がうまくなりたいな～と思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！
読んでおもしろがってくださるみなさまには本当に感謝でいっぱいです。またみなさまにおもしろいと思ってもらえるといいな～と思って日々制作しております。私が描いたものがみなさまの日々の息抜きや気晴らしになったり、どこかのタイミングで「いつだったかなんか変な漫画読んだな…」と思い出していただけますように。
今回ご紹介いただいた『なでるだけのお仕事です！』の単行本第1巻が4月5日に発売されましたので、ぜひお手元に置いていただけましたらうれしいです。
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