韓国作品といえばクオリティーの高いゾンビ映画、予測不能な展開が広がるクライムサスペンス、容赦ない暴力や激しいアクションシーンも見どころのノワール系、そして秀逸な脚本構成で多くの人を感動させるヒューマン作品など、質の高い内容で世界中から注目されている。日本最大級の映画専門チャンネル「ムービープラス」では、「この韓国映画がすごい!」と題し、韓国でヒットしたスリルと感動の詰まった作品を特集放送する。そこで今回は、映画やドラマにとどまらず 韓国エンタメ界で抜群の存在感を示している韓国の“最旬俳優”たちを紹介する。
各国の映画祭を席巻した大ヒット映画「パラサイト 半地下の家族」(2019年)に出演したことで世界中から一躍脚光を浴びたのは、本作でエリート家族に“寄生する”家族の父キム・ギテク役のソン・ガンホをはじめ、ギテクの息子キム・ギウ役のチェ・ウシク、ある秘密を隠す家政婦のムングァン役のイ・ジョンウンなど、数々の作品で活躍する豪華俳優陣だ。
「殺人の追憶」(2003年)や「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017年)などをはじめ、韓国映画には欠かせない存在のガンホは、直近では「サムシクおじさん」(2024年)でドラマに初挑戦したことも話題となった。
ウシクは「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016年)ではゾンビと戦う好青年役に扮(ふん)したかと思えば、「The Witch/魔女」(2018年)ではキム・ダミ演じる主人公をつけ狙う謎の男で、人間離れしたパワーを持つ殺人鬼を演じた。幅広い役柄を自然な表情で演じる彼の演技力の高さはクライムサスペンス「警官の血」(2022年)でも発揮されており、警察官の父の真実を追う新人刑事チェ・ミンジェを好演している。
「パラサイト―」で展開される巧妙な“起承転結”の中で、抜群の存在感を示したジョンウンは韓国を代表するバイプレイヤーの一人。そんな彼女が満を持して単独初主演を務めた「オマージュ」(2023年)では、ヒット作に恵まれず新作を撮る目処が立たない映画監督・ジワンを丁寧に演じ、「第15回アジア太平洋映画賞」最優秀演技賞を受賞した。
また、ギウの教え子パク・ダヘ役のチョン・ジソも、本作で知名度が一気に上がり、壮絶な復讐(ふくしゅう)劇を描いた人気ドラマシリーズ「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」(2022年)では、主人公ムン・ドンウンの少女時代役に抜てきされ、目を覆いたくなるような酷いいじめのシーンを見事に演じ切るなど、「パラサイト―」出演者たちの“その後”の活躍が目覚ましい。
俳優活動も積極的に行うアイドル“演技ドル”の先駆けであり、イ・ジュニョンなどの後輩演技ドルたちのロールモデルとしてもリスペクトされる、アイドルグループZE:A出身のイム・シワンも注目の存在。主演を務めた代表作「ミセン-未生-」(2014年)での演技も注目されたが、近年ではサイコパス役でも高いポテンシャルを発揮している。人気ウェブトゥーン原作のドラマ「他人は地獄だ」(2019年)では、重たい空気が漂う激安アパートのエデン・コシウォン(※コシウォンとは、受験生が住むことを想定した狭小住宅)に住んだことをきっかけに、奇妙な隣人たちや職場環境に悩まされ、次第に狂気的な姿へ変貌してしまうユン・ジョンウを怪演。
また映画「非常宣言」(2022年)では、航空機の乗客を狙ったテロリストのリュ・ジンソク役で、冷酷なまなざしが印象的なソシオパスを演じた。さらに韓国リメイク版の映画「スマホを落としただけなのに」(2023年)でも、スマホを忘れてしまったイ・ナミ(チョン・ウヒ)相手に次々と魔の手を伸ばす連続殺人鬼役など、見る者を戦慄させる憑依型“ヴィラン”としての魅力も話題に。
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