中国の国民的俳優シャオ・ジャンが見せる“夢を追うことの難しさ”と“情熱の価値” レトロな魅力が詰まった「春を待ちわびて」

2024/06/06 18:00 配信

ドラマ コラム

「春を待ちわびて~The sea in the dream~(原題:夢中的那片海)」(C)XIXI PICTURES

シャオ・ジャンの魅力がつまった「春を待ちわびて」


シャオ・ジャンが主演を務める「春を待ちわびて」は、まっすぐな心を持った青年の青春と成長の物語。1970年から始まった中国が激動する時代に生き、そのなかで夢を追うためにもがく青年たちを描いている。

シャオ・ジャン演じるシャオ・チュンションは、明るく前向きな性格。優れたリーダーシップを持ち、信頼と尊敬を向けられる兄貴分といった存在だった。町の不良たちとケンカをしたり、幼なじみたちと友情を育んだりという普通の青春を謳歌する日々。将来は尊敬する父と同じように軍へ入ることを目指していたものの、家の事情が原因で軍になかなか入れないというところだけが不安だった。

親友で軍への入隊を夢見るイエ・グオホワ(リウ・ルイリン)、彼が惚れたマドンナ的存在であるホー・ホンリン(ツァオ・フェイラン)、チュンション友人で軍幹部の父親を持つお嬢様トン・シャオメイ(リー・チン)。そんな周りの友人たちと切磋琢磨しながら大きな成長を遂げたチュンションだったが、念願の入隊後に特別任務の遂行中の負傷で夢への道が途絶えてしまう。

追い続けてきた夢の道が途絶えたことに絶望し、北京に戻ったチュンション。しかしさまざまな仕事に就いて働くうちに、仲間たちとともに急激な変化を遂げていく新しい社会へ向き合っていく。市場経済に移行していく情勢を見極め、ビジネスを立ち上げたのだ。

1970年代の“オールド中国”ともいうべき北京に生きる若者たちを主人公に描いた「春を待ちわびて~The sea in the dream~」。小物やファッションといった豪華なセットはもとより、“素敵なファンタジー”ではなく“避けがたいリアル”を描いた展開にも注目が集まった。

怪我による挫折、周囲の環境との摩擦、理想と現実…。同作は夢を追い続けることの難しさを率直に描きつつ、それでも前向きに生きることの美しさ・素晴らしさを描く。無気力な空気が世にはびこるいまだからこそ見たい同作は、衛星劇場で6月11日(火)夜9時から第1話が放送される。