石原さとみ主演映画「ミッシング」が全国で公開されている。石原と石原演じる沙織里の弟・圭吾役の森優作、中村倫也率いる地元TV局のカメラマン役・細川岳、そして脚本・監督を務めた吉田恵輔監督がティーチイン付き上映会に登場した。
ある日突然いなくなった幼い娘。その帰りを懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族。
事件で世間の注目を浴びた事により、謂れのない誹謗中傷や好奇の目に晒されながらも、いつか必ず会える、その日を信じて、出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じるのは、今までの自分を壊して欲しいと、7年前、自ら吉田恵輔監督に直談判をした石原。
さらに、中村倫也、森優作、小野花梨、細川岳、小松和重、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純らが集結。“人間描写の鬼”と評される吉田監督は本作を「自分のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る。
公開3週目で興行収入ランキングがアップし、口コミの熱さとリピーターの多さが特徴的な本作。本イベントにも3回以上鑑賞しているという観客が多く、石原は「精神的な負担も大きい作品なのに体力がすごい!」とツッコミつつ、喜びの表情。また、レギュラー番組で共演している俳優の濱田マリが映画を観てくれたことに対しての嬉しさを笑顔で語った。
映画全体はシリアスな内容にも関わらず、この映画を観た人のほぼ全員が共感するのが、細川岳演じるカメラマン、不破がふと発する「虎舞竜…」というセリフ。中村演じる砂田率いる地元テレビ局の取材クルーが沙織里にインタビューするシーンで、娘との日常について「なんでもないような日常が」と真剣に語る中「頭に虎舞竜が浮かびますよね」と水を差す場面だ。厳しい現実と独特のユーモアが共存する吉田監督ならではシーンについて「虎舞竜のくだり、あれは笑っていいのかどうか、悩みました」とコメントした。