SILENT SIREN、2度目の“SUMMER SONIC”のライブで明確な爪痕を残す

2017/09/02 13:12 配信

音楽

去る8月19日、SILENT SIRENが自身2度目となる“SUMMER SONIC”出演を果たした。2015年の出演時は大阪会場だったが、今年は初の東京会場。幕張メッセのRAINBOW STAGEに登場したすぅひなんちゅあいにゃんゆかるんの4人は、まず「ビーサン」で公開リハーサルをスタートさせる。爆音のバンドサウンドを聴きつけて続々と集まってくるオーディエンスたち。そこに向けて「私たちに続いて声を出してください!」とアピールすることで、会場には早くも“オッオッオオオッオー”の大合唱が鳴り響く。リハを通してコミュニケーションをしっかり取っていくことでフロアの準備は万端。いよいよライブ本編が幕を開けた。

【写真を見る】2017年も多くの夏フェスへ出演したバンド・SILENT SIRENPhoto by キセキミチコ(KISEKI inck)


すぅ(vo&G)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


「サマソニ、よろしくー!」というひと言とともにすぅがクールなギターカッティングを繰り出す。1曲目は「フジヤマディスコ」だ。自然とカラダが揺れるダンサブルなサウンドに加え、ゆかるんが振り回す羽根扇子が観る者のテンションを上げる。ひなんちゅのタイトなドラミング、スラップを多用するあいにゃんのベースプレイがグイグイと生み出していくグルーブも気持ちいい。間髪入れず突入した2曲目は疾走するロックナンバー「八月の夜」。すぅあいにゃんがステージ前方で向かい合って演奏し合うなど、その場を思い切り楽しんでいるメンバーの空気が伝わってくるパフォーマンスを見せてくれた。

SIRENT SIRENPhoto by キセキミチコ(KISEKI inck)


あいにゃん(B)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


ひなんちゅ(D)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


MCではDJ YUKAKO(ゆかるん)がオースティン・マホーンの「Dirty Work」を流し、すぅあいにゃんひなんちゅが人気芸人のネタを披露する場面も。それにより構えて観ていた観客たちの心は解きほぐされ、会場の空気がいい流れになった印象もあった。実にサイサイらしいポップな戦術だったと言える。

ゆかるん(key)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


その後も、会場を一瞬でダンスフロアに変えた「DanceMusiQ」やロックバンドとしての側面を色濃く打ち出す「Kaleidoscope」という、音楽性の振り幅を感じさせるキラーチューンを連発。5曲目の「チェリボム」ではキュートで楽しい振り付けを提示することで、会場がハッピーな一体感にも包まれたし、ラストの「ぐるぐるワンダーランド」ではみんなでタオルを回してそこに漂う熱量を最高の盛り上がりの中でぐるぐるとかき混ぜてみせた。

ひなんちゅ(D)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


あいにゃん(B)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


サマソニという場所に、SILENT SIRENとして明確な爪痕を残したと言える約35分間のライブ。メンバーたちは果たして、そこでどんなことを感じたのか? 達成感の滲む上気した表情でステージを下りた直後の4人に話を聞いてみた。

SILENT SIREN_LIFE AFTER INTERVIEW


2度目の“SUMMER SONIC”でのライブ後のSIRENT SIRENPhoto by キセキミチコ(KISEKI inck)


●サマソニのステージ、おつかれさまでした!

すぅ】すっごい楽しかったです! 今回はかなり念入りに打ち合わせをして、とにかく持ち時間を有効活用しようと。その中でやりたいことを思い切りやろうと決めていて。結果として、トータル的にすごくいいライブができたと思いますね。曲によってノリがガラッと変わるところもあったから、それは今後に繋がるいい勉強にもなったし。

あいにゃん】サマソニは自分たちにとって憧れのフェスでもあるので、それを思い切り楽しもうっていうテンションで臨んだんですよ。それがお客さんにもいい形で伝わった実感はありますね。曲間のあのネタは急きょ、盛り込むことにしたんですけど、それによって流れをしっかり掴めた感じもして。やって良かったなって思いました。

●フェスであのネタをぶっこむのは大きな賭けでもありますよね。

ゆかるん】確かにそうですよね(笑)。でも、持ち時間の決まっているフェスではどうしてもやる曲が似通ってしまうところがあるんで、何かしら違った試みは盛り込んでいかなきゃなって思うんですよ。そういう意味で今回はネタのところもそうだし、曲のつなぎを変えてみたりもしたし、いろんな工夫をしたんです。それによって楽しんでもらえてる空気をリアルに感じることもできたし、これからもその工夫は大事にしていこうってあらためて思えましたね。

ひなんちゅ】サマソニは海外のアーティストを観に来てるお客さんも多いから、オースティン・マホーンの曲が流れれば「お!?」って思ってくれるかなっていう狙いもあったしね(笑)。

●サイサイの曲のパワーで会場の流れがグッと動いた瞬間もありましたよね。

ひなんちゅ】そうですね。特に「チェリボム」なんかでは、それまで黙って観てた人も一緒になって振り付けをやってくれてるのが見えたりもしましたからね。

あいにゃん】後半になるにつれてお客さんの人数がグッと増えたりもしたし。

ひなんちゅ】そうそう。そういう意味では初めてうちらのライブを観てくれた人にもしっかり刺さったんじゃないかなって思います。

●サマソニは今年で2度目の出演。ここから常連になっていけるといいですよね。

ひなんちゅ】今回、2度目の大きなチャンスをもらえたことがすごく嬉しくって。そこで自分たちなりに達成感のあるライブができたところはあるけど、もちろん課題も見えたりはしたので、次はもっと大きなステージに立てるように頑張りたいですね。海外のアーティストと肩を並べてステージに立てるように。

あいにゃん】海外から来ているお客さんにも、「私たちが日本を代表するガールズバンドです!」ってしっかりアピールできようにもっともっと頑張らなきゃなって。

すぅ】そのためにはやんなきゃいけないことが多いなとは思いますけどね。この後、ワールドツアーも控えてるので、そこでまたしっかり経験値を積んでいきたい。どんな状況でもビビらないで立ち向かえる強さを持って、来年またサマソニに出られたらいいな。

(撮影 / キセキミチコ_KISEKI inck 取材・文 / もりひでゆき)

SETLIST(2017.8.19 / SUMMER SONIC 2017)


リハーサル:ビーサン

01. フジヤマディスコ

02. 八月の夜

03. DanceMusiQ

04. Kaleidoscope

05. チェリボム

06. ぐるぐるワンダーランド