アメリカで話題の“身近なヒーロー”が繰り広げるドラマとリアルな描写にくぎ付け<9-1-1 LA救命最前線>

2024/06/14 11:10 配信

ドラマ コラム

仲間たちの心強い存在、警察官のアシーナと消防署隊長のボビー


登場人物たちが人命を救う緊迫感あふれる様子を捉える一方で、彼らが抱えるプライベートな悩みも浮き彫りにして、深みのある人間ドラマが展開する。この人物だけは押さえておきたい主要キャラ6人を紹介していこう。

アンジェラ・バセット演じるアシーナ・グラントは、ベテラン警察官。強引な時もあるが、強く、優しく、冷静に事件を見つめ、解決へと導いていく。私生活では娘と息子の母であり、長年連れ添った建築家の夫がいるが、その夫から実はゲイだと打ち明けられ、やがて離婚する。シーズン6では、幼少時に近所で起きた少女の行方不明事件と向き合うことに。

ピーター・クラウス演じるボビー・ナッシュは、ロサンゼルス市消防118分署の隊長で、所属する消防士たちを率いる頼りになる存在。料理が得意で、分署で部下たちに振る舞うことも多い。だが、かつてアルコール依存症で自分の過失から暮らしていたマンションで火災を起こし、妻子を含む148人の死者を出してしまった。やり直そうとロサンゼルスに移り住み、仕事をこなす一方で、大きな罪の意識にさいなまれていたが、周囲の支えで前に進み始め、のちにアシーナと結婚する。

物語を熱くする消防士&指令室オペレーター


ボビーの元で働く若手消防士エヴァン・バックリー(オリヴァー・スターク)は、通称バックと呼ばれている。序盤に女性関係でクビになりかけるも、年上の9-1-1オペレーターであるアビー・クラーク(コニー・ブリットン)との恋愛で変化。ただし、アビーとの恋はシーズン1でほぼ終了した。消防士としては頑固で突っ走るところがあるが、人一倍熱い思いを抱いている。シーズン2の終わりで大けがを負い、シーズン3では抗血液凝固剤を服用しなければならなくなったことで現場復帰できず、それでも消防士に戻りたいと市と消防局を訴える行動に出てしまうこともありつつ、復帰して活躍を続けている。

同じく118分署に勤める“ヘン”ことヘンリエッタ・ウィルソン(アイシャ・ハインズ)は、救命士&消防士。もともと製薬会社の営業だったが、直接人を救うべく転職した。私生活では、同性愛者で女性パートナーと結婚し、元恋人が生んだ男の子を育てている。現場で傷病者と向き合う中で救命士としてできることの限界を痛感したことで、医者を目指してメディカルスクールに入学し、消防の仕事と学業を両立しようと挑む。アシーナとは頼り、頼られる仲。

救命士&消防士としてヘンの相棒であり、親友のハワード・ハン(ケネス・チョイ)は、コリアン系でチムニーという愛称で親しまれている。シーズン1の第3話で、恋人へのプロポーズに失敗し、ボビーと口論したいら立ちから車を飛ばしていたところ事故に遭い、トラックの積み荷の鉄筋が後頭部から額にかけて突き抜けてしまったが奇跡的に助かり、後遺症もなく現場復帰した。

そのチムニーと恋仲になっていくのが、シーズン2から登場するマディ・ケンドール(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)。暴力的な夫から逃げてきて、弟バックの勧めで9-1-1のオペレーターになる。オペレーターとしての初日に地震が発生し、通報が殺到する中、元看護師の知識も生かしながら対処していく。夫とのことはシーズン2終盤でチムニーにも被害が及ぶ衝撃的な展開を迎えるが、チムニーと仲を深め、子どもが生まれる。

マディと同じシーズン2から118分署の消防士として仲間入りしたエディ・ディアス(ライアン・グスマン)。元軍の衛生兵で医療の知識があり、すぐに活躍していくことで、“先輩”であるバックは初めこそ脅威に思ったが、仲を深める。脳性まひの息子を1人で育てており、別居していた妻と関係を修復しようとしていた矢先、彼女が交通事故で他界。その事故現場に出動したエディは最期を看取った。