コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、やまくじらさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「ソーダアイスと夏の亡霊」だ。9月30日時点で1万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者のやまくじらさんに制作の背景を伺った。
主人公の葉助は、祖母が営む『草間商店』を夏休みの間だけ手伝っていた。
実は、葉助は幽霊が見える。アイスを買う子ども達についている幽霊の子どもや亡くなった自分の祖父とも話すことができた。
ある日、女子高生に声をかけるとその子は幽霊であることが分かる。「私、生きてる人と話すのはじめて!」と喜ぶ女子高生の幽霊に対し、めんどくさそうに対応する葉助。幽霊は盆の間しか此岸に居ることができないため「お前も早く家に帰れよ」と声をかけると「………うん」と返事をする女子高生の姿が気になった。
その夜、葉助は祖母と幽霊の祖父に「最近、ここら辺で死んだ女子高生とかいる?」と尋ねる。果たして、その女子高生の幽霊の正体とは……?
実際に漫画を読んだ人達からは「とんでもなくよかった」「泣いた」「素敵なお話」「この世界観たまらん」「絵もお話も好きです」と、いった声があがっている。
今回は、作者・やまくじらさんに『ソーダアイスと夏の亡霊』の制作について話を伺った。
――「ソーダアイスと夏の亡霊」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「ソーダアイスと夏の亡霊」はヨルシカの「花と亡霊」を聴いてた時に降ってきたお話です。曲調と一部の単語から浮かんだイメージを形にしました。なのでタイトルもちょっと似寄りになってたりします。
当初は4ページくらいの姉妹だけのお話で考えてたのですが、急遽コミティアで本にして出すことにしたので、話に奥行きを出すために第三者目線のキャラクターを主人公に加えました。結果的に会話が増えて、最初の形よりも読みやすくなったのではないかなと思っています。
――「ソーダアイスと夏の亡霊」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
幽霊の話なので暗くなりすぎないよう会話のコミカルさを心がけました。とても綺麗にまとめることができたお話なので、出てきた諸々のパーツのはまり具合を楽しんで頂ければと思います。
――普段、ストーリー設定やキャラクター設定はどのような所から着想を得ることが多いでしょうか?
音楽を聴いたり、文章を読んだりしている時が一番発想の種が降ってきやすいです。
小説よりも学術書の方がその傾向が高いので、知らないことを知るというのが刺激になってるのかもしれません。民俗や風土系のドキュメンタリー番組などからも発想をよくもらいます。単語から着想することも多いです。
キャラクターの設定はストーリーが出来てから考えることがほとんどなので、特に何かを参考にしたりなどは無いかもしれません。こういう言葉を使うならこういう過去があるかもな…という風に徐々に掘り下げていく感じだと思います。
――漫画を描く上で大切にしていることや意識していることがあればお教えください。
通常よりももう一歩、踏み込んで物事を考えることを大切にしています。
誰が見てもそうだと思えるようなことなどは特に思考が停止しやすいので、必ず色んな視点から考えるように心掛けています。自分の言葉で考えを構築できるようになると、それが哲学となり、作品の確固たる軸として機能してくれると思うので、とにかくきちんと物事に向き合って考えることが大事かなと…。
あと極度のめんどくさがりなので、とりあえずやってみるの精神も大事にしています。
――やまくじらさんの今後の展望や目標をお教えください。
今まで書きためたプロットが大量にあるので、それらをコミティアや商業などで出来うる限り描いていきたいと思っています。短編から長編まで色々なので、時間はかかると思いますが、死ぬまでに全部描き上げられたらいいなと思います!
――最後にやまくじらさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
マイペースではありますが、今後も楽しめる作品を沢山作っていきたいと思っています。ぜひ色々と読んで頂ければ嬉しいです!
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