アメリカ・ロサンゼルスを舞台に救命救急の最前線で活躍する人々を描いたドラマ「9-1-1 LA救命最前線」のシーズン7が6月5日より配信開始。同作はアメリカで大ヒットしているテレビシリーズで、日本でもファンが多い作品だ。期待を裏切らない始まりとなった第1話、そして1話から続く物語が描かれた6月12日配信の第2話をレビューする。(以下、ネタバレを含みます)
同ドラマは、緊急通報ダイヤル「911」を受け取った指令室から警察・救急・消防と連携し、事件・事故を最前線で対処する“ヒーロー”たちの奮闘と日常を描く物語。日常の小さな事件から未曾有の事故まで、圧倒的なスケールとリアリティーで、アメリカのみならず日本でもヒットしている。
主要キャラクターは6人。ロサンゼルス市警の巡査部長アシーナ・グラント(アンジェラ・バセット)、彼女の夫でロサンゼルス市消防118分署の隊長であるボビーことロバート・ナッシュ(ピーター・クラウス)。そして、ボビーの部下の消防士として、バックことエヴァン・バックリー(オリヴァー・スターク)とエディ・ディアス(ライアン・グスマン)、救命士の役割も持つヘンことヘンリエッタ・ウィルソン(アイシャ・ハインズ)とチムニーことハワード・ハン(ケネス・チョイ)、指令室のオペレーターでバックの姉&チムニーのパートナーであるマディ・ケンドール(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)という面々だ。
シーズンを重ねるごとに“チーム”としての絆も深まってきた彼らが、新シーズンでも頻発する事故や事件に対処しながら熱いドラマを見せる。
シーズン7の第1話は、事情を知っていればニヤっとするシャレの利いた始まりとなった。
それはアシーナがカウンセラーに対してボビーが結婚4年目にして行けていなかったハネムーン旅行として豪華客船でのクルーズを予約したことの不安を話しているシーンでのこと。過去の回想で、幼いアシーナが両親と「ABC局がテレビ初放送でお届けします」というアナウンスと共にパニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」がオンエアされるテレビを見ている描写があった。
実はこの新シーズンは、本国において放送局がFOXからABCに変更になったという経緯がある。また、幼いアシーナが見た「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年)はFOX放送と同じ傘下だったことがある20世紀フォックス映画(現・20世紀スタジオ)の配給作品だ。
といっても、ただ単に放送局ネタでは終わらなかった。豪華客船が津波によって転覆する「ポセイドン・アドベンチャー」は、アシーナとボビーに待ち構える困難を暗示していたのだ。
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