【漫画】うつ病を患ってしまった彼との同棲生活を描いた話に「泣きながら全部読んだ」「共感しかない」などの声

2024/06/20 09:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

『うつ病彼氏と別れるまでの話 14』が話題画像提供/春乃 おはなさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、うつ病を患ってしまった彼氏との同棲中の様子を描いた『うつ病彼氏と別れるまでの話 14』をピックアップ。

作者の春乃 おはなさんが5月26日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、6,672以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、春乃 おはなさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

うつ病になってしまった彼との同棲生活をリアルに描く

『うつ病彼氏と別れるまでの話 14』(1/25)画像提供/春乃 おはなさん

主人公のはなは付き合って数カ月の彼・Nくんが意識高い系のであることに気づく。向上心が高くかつ感化されやすい彼は、ブログで副業をすることに。ブログのPV数も伸び悩み、さらに会社に対する不満も蓄積した彼は、ある日突然朝起きられなくなってしまう。

彼が会社に行けない日も徐々に増え、はなの誕生日に突然泣き出したり、食べ物が喉を通らなくなったりなど情緒不安定な状態はより深刻になっていく。そして、心配だったはなは彼と同棲することにしたのだった。

本作でははなのアフィリエイト記事をきっかけに喧嘩に発展。仲直りをしたいという態度を見せながらもSNSには悪口を投稿する彼についにキレてしまう様子が描かれている。

作品を読んだ読者からは、「両方の気持ちがわかってしまってつらい」「一気に読んじゃった」「自分と重ねて見てしまった」など共感の声やストーリーの結末を知りたくて一気読みしたという声が寄せられている。

作者・春乃 おはなさん「読者にとっては励みになるかもしれない」

『うつ病彼氏と別れるまでの話 14』(13/25)画像提供/春乃 おはなさん

――『うつ病彼氏と別れるまでの話』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。

もともと実体験の恋活体験談漫画を描いていて、それをブログやSNSにあげていました。

その恋活の話も描き終わり、「次は何の話を描こう」という際に、以前うつ病を患っていた元恋人との同棲日記を漫画にしたら面白いのではないかと思ったのがきっかけです。そもそもその元恋人とも別れる時に、漫画にしてネットにあげてもいいという許可も取っていたので、描きやすかったです。

よくうつ病を患う方に視点を置いた書籍や作品は見かけますが、それを支える家族や近くの人からの視点で描いたものは少ないんじゃないかと思い、描くに至りました。作品を公開してからは、やはり誹謗中傷がリプやコメントが多く届きました。その反面、DMでは好意的なメッセージをよくいただきます。多くは、うつ病を患う方や、恋人がうつ病を患ってる方などからDMです。「自分はうつ病を患っていて、過去に家族や恋人に強く当たってしまっていた。元気になった今は反省している。」「今、うつ病の恋人と付き合っていて、別れたい気持ちもあるがそんな自分に罪悪感がある。でも漫画を読んで強く共感したことで救われた気がします」などのメッセージをいただきます。反発も多い作品だけれど、救われたと言ってくれる人がいるなら、描いてよかったなとも思います。

――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

うつ病彼氏と同棲していた当時の日記(文章)を絵で忠実に描き起こしました。

今作を読んだ親友も「全部知ってた。当時、はなから聞いた話や私が見たまんま。」というほど、誇張も嘘もありません。

それでも、リプやコメントで「この彼氏はうつ病じゃない」「うつ病がこんな元気なわけない」と言われるのが心外だし、悲しいです。

ありのままを描いているのに、何も見てない人にウソだと言われる。私は元彼がうつ病の診断をもらったことも、一日起き上がれない日が何日も続いたことも、激昂した次の日は必ず体調を崩していた様子も、全部この目で見ています。私や彼の体験で、この作品を読んだ誰かが共感してくれたら嬉しいと思い描きました。思っていた以上にお礼のDMも届いていましが、その数倍以上の誹謗中傷が届いたのは、予想外でした。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

正直、元恋人との話なので、気に入っている話はありません。あくまで日記です。

唯一あげるとするなら、私の運転で彼と銭湯に行く途中、車内で口論になり、赤信号で停車中に、助手席から彼が降りた時の話です。

その後 彼を引き止め、なんとか銭湯には到着しましたが、銭湯から歩いて帰ると言いだしたので、引き止めずそうさせました。

彼は2時間以上歩いて銭湯から自宅へ帰りました。その後、私も自宅に戻るとベッドに寝ている彼がなぜか英語で「アイムアングリー」と文句を言ってきた話が気に入ってます。この話は三回くらい違う友達に話してネタにしていました。純ジャパなのになぜ英語で文句言われたのかは謎です。

――春乃 おはなさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

私は創作漫画を描くのがすごく苦手です。

なので今後も自身の体験をもとにしたエッセイ漫画を描き続けると思います。

去年は持病の抜毛症が悪化し、女ながらに坊主にせざるを得ない選択をしたので、落ち着いたらそのときの体験談を漫画にしたいです。

自分の悲しい思い出も、読者にとっては励みになるかもしれないことに、私自身いつも救われます。

そんな作品をまた描けたら幸せです。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも私の拙いエッセイ漫画を読んでいただきありがとうございます。

DMでもたくさん応援のメッセージもいただくことがあり、全てを目を通しております。

月並みではありますが、今後も時間が空いた際にでも、私の作品を読んでいただけたら嬉しいです。