コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ベニガシラさんがX(旧Twitter)に投稿した『婚活したら地獄だった件』をピックアップ。
5月21日にX(旧Twitter)へ本作が投稿されたところ大きな反響を呼び、2万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者のベニガシラさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
1年前。ベニガシラさんは、昼は会社員、夜は漫画家のダブルワークで多忙を極めていた。忙しくも変わらない日々、そんな日々がオタ友達との通話で変わってしまった。「俺、1ヵ月前に籍入れたんだわ」そんな友人の衝撃の入籍報告。友人が全員独身だったベニガシラさんだったが、気づけば6人中4人が既婚者になっていた。自分が何もしていなかった間に、仲間は次の段階に進んでいた恐怖。そんなうさぎとかめ状態を変えるため、ベニガシラさんは結婚相談所に入会したのだった。
多すぎる書類など手続きに多少手間を取られるも、無事入会したベニガシラさんであったが、結婚相談所スタッフから言われた言葉は「アプリをインストールしてください」だった。結婚相談所は相手を紹介してくれるというイメージを持っていたが、実際は自己申請するものだった。
自己申請するものということは、もちろん断られる可能性がある。断られたら心が傷つく。ベニガシラさんは既にアラサー。20代の頃に比べ心は脆くなっているのだ。傷つきたくないため選んだ結婚相談所、婚活計画が崩れてしまった。
しかし、結婚相談所がマッチングアプリと違うのは情報の信ぴょう性と会員の本気度。そして、申込制ならば相手からベニガシラさんへの申し込みもあるのだ。相手からの申し込みを考慮して、3人ほどに申し込みをしたが、結果は全滅。お見合いの成立率は約1割。入会金を払ったため、後に引けないベニガシラさんは、毎月最大数まで申し込み。何度も断られたがようやく成立。初めての成立だが、あくまでこれは地獄の門(スタートライン)をくぐっただけなのである。
ベニガシラさん本人の経験を描いた本作。ネット上では「勉強になる」「なんて恐ろしい場所」といったまだ婚活を経験していない方々の反応や「リアルすぎて怖い」「トラウマが蘇る…」「結婚相談所の解像度が非常に高い漫画」といった婚活経験者の声も多く寄せられた。
――『婚活したら地獄だった件』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
元々私が約1年間婚活をしていたのがきっかけです。私の場合、結婚相談所を利用しての婚活でした。実際に婚活をしてみると、想像と全く違う世界がそこにありました。婚活の体験談や結婚相談所のシステムなどは、知らない人にとって面白いのではと思い、漫画にしました。
――『婚活したら地獄だった件』の中で気に入っているシーンがありましたら、理由と共にお教えください。
お見合いの申し込みをガチャに例えるシーンが好きです。お見合いの快諾率は自分の場合、本当に低かったので、ひたすらガチャを回す感覚でやっていました。描写的に分かりやすい表現になったのではないかと思います。
――これから婚活をする方にアドバイスがありましたら、お教えください。
私が婚活をして痛感したのは、メンタルが本当にやられることです。頑張って努力して改善しても、その努力が結果に反映されるとは限りません。努力に見合った成果が出ないと、精神的に追い詰められがちです。婚活においては、まず自身の身体と心を第一に考え、無理のない範囲で継続できることを厳選するのが良いと思います。本当に婚活は辛いですから。
――ベニガシラさん自身をガイコツで描いたきっかけや理由がありましたらお教えください。
私の過去作で「命を救った死神」という作品があり、そのキャラクターをずっと著者アイコンにしていました。ベニガシラといえば死神のガイコツの人だと認識されていたので、ガイコツにしました。
――ベニガシラさんの今後の展望や目標をお教えください。
今回の「婚活したら地獄だった件」を最後まで描き切りたいです。想定では4巻まで続く予定ですので、面白いと思ってくださった方は続巻も読んでいただけるとうれしいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
「婚活したら地獄だった件」を読んでいただきありがとうございます。たくさんの感想をいただきました。「単純に読み物として読みやすく面白い」「婚活ってこんなに大変なんだ」「読んでいて自分の婚活を思い出して辛い」といった様々な感想をいただきました。本当にありがとうございます。ちなみに1巻の内容は冒頭部分なので、本格的な地獄は2巻から始まります。お楽しみください。
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