三浦涼介“芹沢”、自分の意思を貫いて散ってゆく姿に胸が痛む<君とゆきて咲く>

2024/06/21 10:01 配信

ドラマ レビュー

芹沢「薄っぺらい誠だなぁ!」」


その頃、幹部はさらにザワついていた。かねてから狼藉を繰り返し、最近では尊王攘夷派との宴会に明け暮れる芹沢が会津藩主・松平容保(味方良介)との謁見に姿を見せず、容保公からの信頼が揺らぎはじめていたのだ。

見かねた近藤(高野洸)は芹沢に謁見に参加してほしいと頼むが、芹沢は何を思ったか、自分と土方(阪本奨悟)のどちらかを選べと近藤に告げるのだった。一方、名指しされた土方はある決意を固めていた。

芹沢が戻り、壬生義士たちの前に現れると一斉に刀を抜いて構える。芹沢が刀を抜いて「やるか?土方」というと、後ろにいた土方も刀を抜く。沖田総司や斎藤一らも刀を抜いて構える。

仲間内での激しい戦いが始まり、刀がぶつかり合う音が響く。原田左之助が芹沢の腹を突いて「芹沢さん、もう終わりにしよう」というと、芹沢は「何ぬるいこと言ってんだよ。これがお前らが望んだことだろう!てめぇらの正しさのために邪魔になるものはこれから全部斬ってくんだろ。薄っぺらい誠だなぁ!」と叫ぶ。

土方が刀を構え、芹沢が「地獄で待ってるぜ、お前ら」と言うと、土方が力いっぱい刀を振り下ろす。芹沢は静かに背中から倒れ込むのだった。

志が高く強いだけにぶつかり合ってしまう彼らを見ていると、つらくて胸が苦しくなってしまった。

◆構成・文=牧島史佳