前田拳太郎“大作”、簡秀吉“渋皮”が粛清されたことを察して心痛める姿が切ない<君とゆきて咲く>

2024/06/26 18:57 配信

ドラマ レビュー

南無之介「俺たちは同志なのだ」


夜、大作と丘十郎、新之丞(杢代)、南無之介(羽谷)が部屋で話す。新之丞は「別れのあいさつもできませんでしたね。実家に帰ったと短く教えられただけで」と言い、部屋に沈黙が流れる。丘十郎が「それを信じるしか無い」と言うと、「いくら決まりを破ったとはいえ、近藤さんや土方さんが渋皮にひどいことをするわけがない」と南無之介が言い、丘十郎も「そうだな」とうなずく。

南無之介は「俺たちは同志なのだ」と強く主張し、新之丞と目を合わせてうなずき合う。大作は「同志…」とひとり伏し目がちににつぶやき、丘十郎が気づいて心配そうに見る。

夜中、渋皮が粛清されたことを察した大作は罪悪感に苛まれて、苦しそうに吐く。そこへ丘十郎がやってきて大作の背中をさすってやるのだった。

彼らを包む厳しく重い空気にいたたまれない気持ちになる。また、一番脆くて繊細なのは案外、大作なのかもしれないと思え、普段とのギャップもあいまってより切なくなった。

◆構成・文=牧島史佳