ーー恋愛作品だからこそ意識したことはありますか? 個人的には第1話で甲斐が浩国の顔に手を添えるときの仕草がとても美しくて印象的でした。
野村:あのシーンは、手の添え方までしっかり指導していただきました。宝来(忠昭)監督が、実際にスタッフの方とそのシーンを再現してくれるんですよ。それがとても分かりやすくて。他にもバックハグのシーン等も宝来監督が実際にやって見せてくださったので、そのおかげで細かい所作や動きが美しく見せられるようになりました。
金子:宝来監督は“お手本を見せる”というよりも、僕たちの芝居を“客観的な視点で再現”してくれるんですよね。だから、とても分かりやすくて。「さっきの野村くんと金子くんはこんな感じだったよ」って実際に演じて下さって、「こういう風にもできるよね?」って他の演出も提案しつつ、でも最終的には自分たちでどれがいいかは判断してねって感じで。とても勉強になりました。もはや宝来監督の再現が見たくて、どういうシーンか分かるけど野村くんと「このシーンも分かんないです」ってよく言ってたよね(笑)。
野村:言ってましたね(笑)。宝来監督の再現、すごく好きだったな。
ーー監督の再現、見てみたいです(笑)。甲斐は感情が表に出にくいタイプなのでその表情管理が難しそうですし、浩国もまた正気を失った顔色が悪い時期と元気の時期の差を出すのが大変そうだなと感じました。その辺の指導も宝来監督からあったのでしょうか?
野村:ありました。宝来監督から「今のはちょっと顔に好きが溢れ過ぎちゃってるかな」とか、よくご指導いただいてました。甲斐は浩国のことを初めから大好きなのですが、それをどこまで出すのか、その塩梅が本当に繊細で難しかったです。
金子:僕の場合は、基本撮影は順撮り(第1話から順番通りに撮影)かつ徐々に甲斐を好きになっていくので、そこまで難しくはなかったのですが、ただたまに撮影シーンが前後する場合もあったので、台本にここのシーンは浩国は甲斐のことが何%好きかを常にメモしてました。あとは会社のシーンもわりとまとめて撮っていたので、今撮ってるシーンが第何話のどこなのかがごっちゃになっちゃって…。顔色とか表情を変えなきゃなので、そこもまた台本にメモしてました。僕は台本にずっとメモ書きをして、整理してましたね(笑)。
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