【漫画】魔法の練習で異世界からやってきたドラゴン、ゲームにハマって自堕落生活に「明日からも本気出す気ないな?」の声

2024/07/29 18:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

異世界から修行に来たのにサボりがちなドラゴンの物語(C)牧瀬初雲・東裏友希/小学館

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、小学館のコミックアプリ「マンガワン」にて連載中の、『ドラゴン養ってください』(小学館)の第2巻に収録されている『魔法の練習をサボり続けるドラゴンが本気出す話』を紹介する。作画を担当する東裏友希さんが、4月18日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、7000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、本作の原作を担当する牧瀬初雲さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

修行に来たはずなのにサボりまくるドラゴン

『魔法の練習をサボり続けるドラゴンが本気出す話』(1/19)(C)牧瀬初雲・東裏友希/小学館


「ただいま〜」と言って大学生・村上が我が家に帰ると、ドラゴンのイルセラがゲームをしながらくつろいでいる。イルセラは魔法の修行のために異世界からやってきたのだが、来る日も来る日もゲームをやりこんで村上の家で自堕落な生活を送っているだけ…。

ついに痺れを切らした村上は、「お前 なんで、ここにいるんだっけ」と問いかける。ある日この世界にやってきたイルセラに当初の目的を問いただすと、イルセラは「そりゃあ修行をしに…」と言いかけてはたと気づく。「私最後に魔法の練習したの、いつだっけ」。

「お前の親、送る世界間違えたよな」とあきれる村上の言葉をよそに、イルセラは「一次試験にはなんとかしなければ!」「よし…心に決めました」と覚悟を決めた表情を浮かべる。しかし次に続いた言葉は、「明日から、本気出します!」。再びイルセラがくつろぎ始めるのを見て、村上は「よっしゃ今から、外行くぞ」とイルセラを神社へと連れ出した。

そして習得が必要な魔法のリストを見ると、そこには「逆に何ができるの?」と村上がツッコミを入れるほどびっしりと多様な魔法がつづられている。「ドラゴンも楽じゃないんですよ」とぼやきながら、1番できそうな召喚魔法をすると言い出したイルセラだったが…。

この物語を読んだ人たちからは、「明日からも本気出す気ないな?」「どの作品もドラゴンはチョロゴンなのか」「一次試験免除してあげて」「応援したくなる」「2人の温度感が良すぎる」など、多くのコメントが寄せられている。

ポジティブな精神を持つイルセラ

『魔法の練習をサボり続けるドラゴンが本気出す話』(5/19)(C)牧瀬初雲・東裏友希/小学館


――『魔法の練習をサボり続けるドラゴンが本気出す話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

まず『ドラゴン養ってください』という作品は「ドラゴンが人間に変身せずにドラゴンのまま暮らす」という話を描きたくて描きました。その上でなぜ変身しないかを考えた時に「プライドが高く人間に変身する気がない」「人間に変身する力を持っていない」という要素を持つ「プライドは高いがポンコツ」なイルセラというキャラクターが生まれました。

10話(『魔法の練習をサボり続けるドラゴンが本気出す話』)ではそんなイルセラが活躍する話を作りましたが、10話までにもイルセラが人助けをするという話は存在します。元々は「魔法の練習中にとんでもないものを召喚してしまう」というシチュエーションを思いつき、そこからポンコツだけどやる時はやる根っこは善性のキャラクターという側面を大いに活かせる話に繋げられるのではないかと思い作るに至りました。

――上手く魔法がかけられなくてもめげない、イルセラの気持ちの切り替えの速さが印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

イルセラは良くも悪くも「自分のやること、やってきたことは間違っていない」というポジティブな精神を持っていて、この自信とプライドの高さはイルセラをカッコ良くもカッコ悪くも見せることができる面白い要素です。

ドラゴンらしいプライドの高さとそれに見合わずポンコツというチグハグさはイルセラを非日常的でどこか馴染みのあるキャラクターにしてくれます。そんなイルセラや他のキャラクターたちの掛け合いは描いている自分も楽しい気持ちになったので是非読者のみなさんにも楽しんで欲しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

すごく地味ですが1巻の内容でいえば1話の「説明の端々に無駄なプライドが見えた」、3話の「多様性、そんなに万能じゃないですよ」、5話の「反応に困るタイプのユーモアだ」などの村上のツッコミが気に入っています。個人的にはこういった静かめのツッコミが大好きです。

シーンで言うなら2話最後のイルセラが空を飛ぶシーンや3話でイルセラがおにぎりを焼くシーン、7話の竜神と対面するシーンなどです。作画担当の東裏さんの日常にもファンタジーにもマッチした画風がとても魅力的に現れていて一枚絵としても素晴らしいシーンです。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

主に「ドラゴンと一緒にやりたいこと」や「ドラゴンが日常にいたらどうなるか」などを中心に考えています。こういった日常と非日常を合わせた作品は他にもたくさんあるのでそういった作品を参考にしたりもしています。

――今後の展望や目標をお教えください。

アニメ化までいきたいですね!あとこういった人外系のキャラクターは海外で好まれるとよく聞くのでいつか英語版などの海外言語版も見たいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

7月18日(木)には第2巻も発売されました!これからも楽しい展開やキャラクターたちが村上とイルセラを中心にどんどん生まれていきますので是非応援よろしくお願いします!