【漫画】“うんち”から始まる大腸内視鏡検査までの体験談…作者の不安や病院での様子を描いた話に「検査大切ですね」の声

2024/07/06 09:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

ある日、トイレに行ったらウンチに血が…画像提供/鎌田幹康さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、鎌田幹康さんが描く『生まれて初めて大腸内視鏡検査を受けたので、検査布教マンガを描きました。』をピックアップ。

2024年5月25日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、鎌田幹康さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

“うんち”の異変に気付いた作者が大腸内視鏡検査を受けるお話

『生まれて初めて大腸内視鏡検査を受けたので、検査布教マンガを描きました。』より画像提供/鎌田幹康さん

「うんち!に血がついていたらどうしますか?」

そんな問いかけから始まる漫画。作者の鎌田さんはある日、トイレで血便を確認してすぐに大慌てで大腸内視鏡検査を申し込んだ。医者からは「ただの痔の可能性が高い」と言われたが、大腸がんなど大きな病気が潜んでいる場合もあると知り、不安は拭えずにいた。

作中では、検査前日から当日までの様子や作者が不安に思ったこと、そして気になる結果までが描かれている。前日の食事は消化のいいものを、そして21時以降は絶食。寝る前には薬を2錠飲む。そして、特に詳細に描かれていたことは、検査当日にある経口腸管洗浄剤“モビプレップ”を飲む過程だ。2リットルのモビプレップを飲みながら便意を待つのだが、なかなか来ない便意に不安を感じてしまう。そして、便意があってからは複数回にわたってトイレに向かうのだが、最後の便意が終わってから病院へ向かわないと、道中に“催してしまう”可能性があるため大変危険だ。

それを乗り越えるといよいよ病院にて検査開始。ベッドに横になり検査直前までドキドキしていた作者だったが、鎮静剤のおかげで眠っているうちに無事終了。そして、寝起きで意識がぼんやりしているうちに、検査結果の紙を受け取ると…。

<組織・ポリープを切除しました>

衝撃を受ける作者。不安に思いながらも「やっぱり“痔”でした」という結果で終わるかと思っていたのに…。“組織・ポリープの切除”という事態になり、取り除いたものが“激ヤバ”なものだったのか不安でたまらなかった。そして、切除したポリープを生体検査した結果は無事に“良性”。初めて受診してからこの日を迎えるまで色々な不安がいっぱいだったが、もしも今回切除したポリープがそのまま体の中に残って、どんどん大きくなってしまっていたら…と考えると、検査をやってよかったと思えた作者なのだった。

大腸内視鏡検査への不安や病院での様子などを描いた本作は、多くの読者から関心を集め「検査大切ですね」「検査して安心が買えるなら検査したほうがいい」などのコメントが寄せられた。

作者・鎌田幹康さん「異常がある人は健康を、何もない人も安心を得られます」

『生まれて初めて大腸内視鏡検査を受けたので、検査布教マンガを描きました。』より画像提供/鎌田幹康さん

――『生まれて初めて大腸内視鏡検査を受けたので、検査布教マンガを描きました』はご自身の経験を漫画にした作品です。“布教マンガ”と記載されていますが、改めまして本作を創作した理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。

第一に、自分の体験を人に話したい、という率直な欲求です。

第二に、自身の体験を細かく残すことで、検査を受ける人の小さな不安を取り除く助けになるかと思ったからです。たとえば「下剤を飲んだのにしばらく便意が来ない」ですね。何か心配になることがあっても、「誰かも同じ体験をしていたな」という記憶があれば心が軽くなるかと思ったためです。

そして第三に、大腸内視鏡検査を受ける人を増やしたかったからです。今回私はポリープを小さいうちに切除できるという幸運に恵まれましたが、同じように病気を未病のうちから防げる人は多ければ多いほどいいので。

――本作を描く上で、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。

最後のコマで、次のページへのヒキを作ることです。また、Xの仕様上4ページまでしか一気に投稿できないので、なるべく4ページ以内でチャプター分けするよう心掛けました。

――血便があって病院に行ったとのことですが、初めて見つけてすぐに受診したのでしょうか?それとも何度か続いたから気になって病院へ…などのきっかけがあったのでしょうか?

初めてみつけて、翌々日には病院にいきました。

以前から、まだ若い漫画家さんに大腸ガンが見つかった、というルポ漫画やお話を複数知っており、日ごろから便を観察するようにしていたのが幸いしました。その方々の経験を知らなければ今回検査を受けることもなかったと思います。

――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”や「参考になりました」といったコメントなどが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。

反響の大きさには驚いています。

正直に言えば、15ページも描いて色もつけたわけですから、「ちょっとくらいバズってほしいぞ」という気持ちはありました(笑)しかしその大きさは予想をはるかに上回っていました。

これは、それだけ多くの方が大腸内視鏡検査に関心を持っているということだと思います。そしてその「関心を持っている」というのは、「受けたほうがいいとは思うが踏み切れない」という側面があるからではないでしょうか。だからこそ、「この漫画が検査への後押しになった」という声をいただいた時には嬉しかったです。

――現在、何らかの不安な症状があって受診・検査を悩んでいる人や、大腸内視鏡検査を控えて不安に感じている人などへ向けて、アドバイスがあればお聞かせください。

病気は見つかるのが早ければ早いほどいいので、異常がある人は健康を、何もない人も安心を得られます。しかも下剤も検査も、意外と楽に終わってしまいます。不安な方は是非受けてほしいです。

とはいえ私も「病気が見つかったらどうしよう…」とビクビクしていたので偉そうには言えません(笑)これからの人生、検査のたびにその不安は抱くと思うのですが、お互いタフにいきましょう!

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

今回、私のマンガを読んでくださった方、反応をくださった方、本当にありがとうございました!またX上ではこれからも、ショートマンガやルポマンガを描いていきたいと思います。

そして少年漫画家/原作者としても、連載目指して鋭意製作中です。どれか一つでも期待をしてくださる方がいるなら、その期待を裏切らぬ物を作っていけるよう励みます。よろしくお願いします!