【漫画】偶然雨宿りをした駄菓子屋さんでの心温まる物語に「懐かしいな…」「近所にもこんな駄菓子屋さんあったなあ」の声

2024/07/15 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

突然の大雨のおかげで出会った駄菓子屋さんとの心温まる物語画像提供/いぬちくさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、ニコニコ漫画とカドコミで連載されている『いとこのこ』の第6話『いとこと通り雨』をピックアップ。5月19日に、本作が『いとこのこ』公式X(旧Twitter)へ投稿されると、1.1万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では、作者のいぬちくさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

突然の大雨のおかげでたどりついた“ふうりん堂”


夏休みの間、田舎の叔父の家で過ごすことになった望。他愛もない話をしながら、従妹の爽と帰り道をあるいていると雨が降ってきた。どしゃぶりの雨から避難するために入った軒先だったが、奥から「あらあらあら…」「かわいそうに」とおばあさんが顔を覗かせてきた。

望は慌てたようすで「すみません」とおばあさんに謝るのだが、おばあさんは笑顔で「あーよかよか。いまタオルば持ってくるけん、拭いたらば中で乾かしていきなっせ」と言って、2人を駄菓子屋“ふうりん堂”のなかへと招く。2人が偶然雨宿りしたのは、おばあさんが切り盛りしている駄菓子屋の軒先だったのだ。

初めての駄菓子屋さんに、爽は嬉しそうな様子を見せる。望が「見て回ってもいいですか?」とたずねると、ニコニコしながら「もちろん」とこたえるおばあさん。楽しそうに駄菓子を見て回る2人だったが、おばあさんから“ふうりん堂”に関するある事実を知り…。

この漫画を読んだ人たちからは、「懐かしいな…」「近所にもこんな駄菓子屋さんあったなあ」「そういえば駄菓子屋さん減ったなあ」「駄菓子屋さん行きたくなってきた」「おばあちゃんかわいい」「子どもからのちょっとした気遣いって心が温まるよね」という声が多数寄せられている。

注目ポイントは、おばあちゃんの「子どもたちがかわいくてしょうがない感じ」

『いとこのこ』第6話(10/16)画像提供/いぬちくさん


――『お店を畳んでしまう田舎の駄菓子屋の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

「いとこのこ」全体のテーマとして、「子どもたちだけに閉じた世界ではなく地域の大人たちとの関わりも描いていけるといいね」と担当編集と話していました。その具体的なテーマを探しているときに、自宅の近くにいまも続いている駄菓子屋さんがあることを思い出して、自分が小学生の頃に通っていた記憶を繋げればよい話ができるかもしれないと思ったのがきっかけです。

――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

お婆ちゃんの「子どもたちがかわいくてしょうがない感じ」が表現できていたらいいなと思っています。読者さんの多くは、駄菓子屋自体には行ったことがなかったとしても、「両親よりも優しく接してくれる、少し遠い縁のお爺ちゃん、お婆ちゃん」という存在に心当たりがあるのではないかと思います。読者さん自身の中にあるそういった記憶を思い起こしながら読んでいただけたらいいなぁと。

――自分たちが最後のお客さんだと分かった時の望の提案に心が温まりました。特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

ありがとうございます。気に入っているところは、望に「もう少しだけ居てもいいですか?」と申し訳なさそうに聞かれたお婆ちゃんが、嬉しそうに「いくらでもおんなっせ」と答える小さな一幕です。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

小さい頃に、物語の舞台にもなっている父の故郷に着いて行ったときの記憶をベースにして、あの場面・場所に望や爽が居たらどうなるか、こんなイベントが起きていたらどうなるかなどをイメージしています。その当時は私自身が望や爽と同じような年頃だったので、その年齢で考えそうなことを描きやすいという面があるかもしれません。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか。

個人的に立体感のある絵が好きということもあり、毎話どこかでキツめの角度が付いたアオリ・フカン構図でキャラクターを映すというのを意識的にやっています。その他、この話では髪の毛の乱れ具合やツヤの入り方で、身体を動かした後に汗をかいていることだったり、雨に濡れてから乾くまでの時間経過だったりを表現するようにしてみています。

――今後の展望や目標をお教えください。

ゆったりしたペースで、望と爽がお互いに対する心境を少しずつ変化させていくようすを描いていければいいなと思っています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも応援ありがとうございます!今後も、それぞれ違う意味で子どもっぽい2人のやり取りを楽しんでいただけたら嬉しいです。