――通常盤のアルバムジャケットはとても幻想的ですが、こだわりを教えてください。
もう全部です!制作陣と何回もやりとりして、細部までこだわりました。やっぱり言葉で伝えるのは難しくて、イメージを絵で描いてみたり、それっぽい素材を探して見せたりして、「どうにか伝われ」と思いながら、結局10回ぐらいやりとりしたんじゃないかと思います。
僕のイメージの“淡い虹”が長く螺旋状にあって、いろいろな動物が歩いていたり、それを遠くから人間っぽいものが見ていたり、空にはこの世のものじゃないような虫が飛んでいたり。空や雲の色も結構こだわって、下が地上だとしたら上は神々の国と世界観で分けていたりして、本当に全く妥協せずに作れたと思っています。
――今回のアルバム発売にあたり、新しいアーティスト写真が公開されました。新しいアーティスト写真のこだわりを教えてください。
基本的にはアルバムの世界観を大事に、着飾らずシンプルな格好の方が合うのでは…ということで、こういう衣装になりました。ちょっと“儚さ”とかも出せているのかな。
楽曲もジャケット写真もアーティスト写真もすべて、僕は世界観を大事に創っています。僕のイメージするものはありますが、それを受け取ったみんなが「こういう世界観を表現しているのかな」と思ってくれるなら、それはそれで正解です。基本的に正解はないので、考察することも楽しんでほしいなと思っています。
――今までのアルバム「JACK IN THE BOX」「WONDER HACK」「pret-a-porter」を振り返り、そして今回発売の「Bifrost」を見て、今思うことを教えてください。※「pret-a-porter」の「e」はサーカムフレックス付き、「a」はグレイヴ・アクセント付きが正式表記
今までは楽曲提供が多かったので、ある程度土台がある状態で「じゃあ色付けだけしてね」とか、完成しているものを「最後のニスだけぬっときます」みたいな感じでしたけど、そのときそのときいつも全力でやっているし、全然手を抜いたことはないので、今までの3枚とも最高のものを創ってきたつもりです。
でも思考的に僕は“モノづくり”が好きで、「もっとこうしたい」とかクリエイティブな部分がだんだん如実に出てきたというか…。最初は歌詞も全然書けなかったんですけど、自分の言葉とか自分が欲しかった音を拾い集めて、それを形にしたものを届けるのが1番だと思って出来たのが、今回の「Bifrost」だと思っています。
――今回のアルバムは初めて全曲セルフプロデュースで、Shutaさんにとって「挑戦」だということですが、その原動力は何ですか?
僕は、やったことがないことをたくさんやって、それが経験となり人としての糧となるんだったら、少しでも日常に変化を持たせたいと思ってしまうし、その方がきっと「楽しいんだろうな」っていう気持ちをもともと持っているんだと思います。変化に立ち向かっていくというのは「挑戦」でもあるんですけど、それを楽しんでいる感じですね。
あとここ数年、自分を見つめ直す瞬間があって、ちょっとずつでも何かを変えてみたら「世界の視え方が変わるかな」とか「人との接し方が変わるかな」とか思い始めていたんです。変わるのは勇気が必要だったり、難しいこともあるけど、その変化が楽曲制作につながるのであれば全然楽しいことだと感じていたのもあると思います。
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