本作最大の見どころは、物語に登場する個性豊かなキャラクターにある。まず謎の浮浪者・修羅神狂死郎は、最初はヤクザの中でのし上がることが目的かのように描かれているが、実は別の目的を果たすことに“生きる意味”を見出し行動している。
狂死郎を演じた三上も、以前インタビューで「主人公の折笠静馬は広い視野で物事を見ている感じがしますが、狂死郎の場合は一点を見据えているような感じがしました。なので、演じる時も彼の“目線”というか、“何を見ているのか”ということを意識していましたね」とコメント。着流しにマフラー、インパネスコートに眼帯という、印象的な服装にも注目だ。
また作中では、イギリスの日系人ジャーナリスト・黒木せんり(CV:Lynn)も登場。日本では記者として活動しており、英国公使館のビジネスパートナーとして諜報的な活動も行っている。そんな彼女は、本作の登場人物の立ち位置から少し外れた存在で、外側から全体を俯瞰してみながら状況を把握する非常に“頭のキレる”女性キャラとなっている。
また、剣の腕を争う撃剣会で女剣士の中澤琴(CV:園崎未恵)が活躍した際も、“女がでしゃばるな”と言わんばかりの会場の雰囲気に納得がいかない様子で、時代を先どる考えを持っている。服装もモダンで現代的、ヘアスタイルもショートカットで、当時の日本人女性とはまったく異なる存在として描かれている。
他にも、表向きは芸者だが実は新政府関係の邪魔者を始末する暗殺者の顔を持つ雛鶴や、同じく新政府の要人を疎んでおり、ヤクザたちを背後で操る謎の人物・平松武兵衛(CV:山路和弘)など、それぞれ個性的なキャラクターたちが作品を盛り上げる。
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