【漫画】自費出版本の即売会にきた少女は、“漫画の神サマ”かもしれない…想定外の状況で緊張が走る作者に「羨ましい体験」の声

2024/07/18 18:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

コミティアにて、僕のブースに予想外のお客様が…画像提供/大塚志郎さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、8月9日に『マンガでわかる! 死亡ピンチからの生還図鑑』が発売される大塚志郎さんの『自費出版マンガ本を女子小学生が買いに来た話』をピックアップ。

2024年5月25日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、9,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、大塚志郎さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

コミティアで出会った可愛い“漫画の神サマ”

『自費出版マンガ本を女子小学生が買いに来た話』より画像提供/大塚志郎さん

コミティアとは、自費出版した本を発表・販売する同人誌即売会だ。オリジナル作品であれば、漫画に限らず、小説やイラスト、グッズなども販売できる。

本作の作者である大塚さんも、一次創作の漫画を用意して度々コミティアに出店している。しかし、流行り病でイベント自体の集客が減り、状況が落ち着いた今でも人の戻りがあまり良くないため、赤字が続いていた。そして、イベントへの出店を休もうかと考えながらコミティアに参加した日、ある出会いが訪れる。

がらんとした自分のブースに、少女が1人やってきたのだ。作者が創作する漫画は10代後半からの読者を想定した作品であったため、10歳にも満たなそうな女の子が興味を持ったのに驚く。しかし、疑問を色々と考える中で、作者は“この子はもしかしたら漫画の神サマかもしれない”と思い始めた。この子に漫画が認められれは、何か大きなテストに合格するような気がする…!!

そう思い、少女の様子を伺っていたが、しばらくして本を閉じて立ち去ってしまった。「そりゃそうか」と思う作者だったが、またしばらくした後、少女はお母さんを連れて戻ってきた。先ほど手にとった本を買いに来たのだ。作者には最後まで、“どうして小さな女の子がこの本を気に入ったのか”という疑問が残っていたが、それ以上に「めちゃくちゃうれしいッ!!!」という気持ちで満たされたのだった。

そして、数か月後のコミティアでまた少女と再会する。今度は前回購入してくれたシリーズを全部買ってくれた。この出会いがきっかけで、作者はこれからもイベントへの出店を続けようと思い直し、今日も誰かの心に響く漫画を創作している。

本作の投稿へは、「創作者最大の幸せですな」「かけがえのないこと」など、作者の喜びに共感するコメントが寄せられたとともに、「てぇてぇ」「和む」など少女の可愛さに癒された声も見受けられた。

作者・大塚志郎さん「シンプルに嬉しい。あと驚きと、謎でした。」

『自費出版マンガ本を女子小学生が買いに来た話』より画像提供/大塚志郎さん

――『自費出版マンガ本を女子小学生が買いに来た話』を創作したきっかけや理由をお教えください。

最近の漫画を描いているモチベーションの再確認(子供を意識した漫画作り)とシンプルに嬉しかったっていう報告が目的です。

こういうイベントの話でSNSで広がってる話は、全然売れなかったとか転売屋が出たとか、出張編集部でクソミソ言われたとかあまりポジティブな話がない印象なので、ポジティブな良かった話を描いて広めたいと思いまして。自分的には良かった話を書いたつもりです。

――作中にも描かれていますが、改めて女子小学生の神サマが初めて本を手にしてくれた時のお気持ちをお聞かせいただけますでしょうか?

普段は10代後半から同世代くらいの読者を想定してるので不思議な感覚でした。実際そのくらいの層が僕の漫画の読者の99%をしめております。シンプルに嬉しい。あと驚きと、謎でした。

結果そう言った子供に楽しんでもらおうという漫画を描こうと一瞬思ったんですがおこがましいっていうか無理だと思い、しばらく悩んでたんですが、似たような年代の子が残念な事故などで亡くなるニュースを見るたび「生きぬいてほしい」と強く思ったのでそういう内容を描く事にしました。

――大塚さんの体感として、自費出版本の即売イベントに来る子供たちは親に付き合わされているケースが多そうとのことですが、実際、イベントで大塚さんの本を手にとった子供は作中の神サマが初めてだったのでしょうか?

はい。他にも買ってくれた子供はいるんですが初めて来てくれた人をモデルに描きました。

――自費出版本の即売イベントで常連の人が来てくれたとき、初めての人が本を手にとってくれたとき、それぞれのときに感じるお気持ちをお聞かせいただけますでしょうか?

常連の人はもちろん感謝してます。さっと現れてさっと新刊を買って颯爽とさっていくタイプ、(迷惑をかけないように配慮してくれている感じ)他にも差し入れを持ってきてくれる方や、挨拶してくれる人など色々おられて、尊いです。いつもありがとうございます!

初めての方は、興味を持ってくれてありがとうという気持ちです。立ち読みだけでも嬉しくて、特にイベントで販売してる本は普段の本よりはるかに高価なので初めて購入してくださった方は正直逃したくないという気持ちがあるので、何らかのサービスをすることが多いです。

ちなみにスペースに来てくださった方で常連さんか初めての方かは所作ですぐにわかります。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

最近の内容は子供に向けてますが、決して子供騙しのつもりはなく、むしろ難しいかもしれませんが、子供の好奇心をくすぐれるような内容にできたらと思っていてそれは大人でも楽しめるハズの漫画、そういう漫画を作っております。

SNSで読んでくださった方、シェアしてくださった方、いいねをしてくれた方、イベントやBOOTHや書店で購入してくださった方、おかげさまで生還図鑑が商業コミックス化できました!自費出版イベントの漫画の商業コミックス化ってかなりハードルが高くて、みなさんの応援無くしては絶対不可能です。これからも面白い漫画描いていきますので引き続き応援よろしくお願いします!