「紳士の品格」(2012年)などで知られる俳優キム・ハヌルと歌手“RAIN(ピ)”として日本でも人気のチョン・ジフンが共演するドラマ「レッド・スワン」が、毎週水曜に配信中。今作は財閥家の秘密と欲望を暴くスキャンダラスなサスペンス。今回は同作で韓国上流階級のトップ1%に入る大財閥“ファイン家”に嫁ぎ、チャリティー財団の理事長を務める元プロゴルファーのワンスをシリアスに演じているハヌルのキャリアを振り返りながら、彼女の魅力を伝える。(以下、ネタバレを含みます)
現在46歳のハヌルは、ファッションブランドの専属モデルになったことをきっかけに芸能界入りし、大人への壁にぶつかり苦悩する若者たちの姿を描いた恋愛映画「バイ・ジュン さらば愛しき人」(1998年)で役者デビューを果たす。歌手のチョ・ソンモが同年にリリースしたアルバム『To Heaven』のMVでイ・ビョンホンと共演し、透明感のある姿で一躍有名に。
男子生徒と新米教師の切ない恋を描いたドラマ「ロマンス」(2002年)では高校教師のキム・チェウォンを演じた。日本の作品では度々見かけるテーマでもある“教師と教え子の恋愛”というセンセーショナルな内容が当時の韓国で大きな反響を呼び、高視聴率を獲得。ハヌルは「MBC演技大賞」最優秀賞を受賞した。
その後は、クォン・サンウが主演の映画「同い年の家庭教師」(2003年)でヒロインの大学生・スワンを演じ、翌年公開されたラブコメディー映画「彼女を信じないでください」では、当時若手注目俳優だったカン・ドンウォンと共演し、詐欺師のヨンジュ役に扮(ふん)するなど、多くのラブストーリーでその存在感を示していく。
さらに2011年には、日本でも映画・ドラマ化された人気作「きみはペット」のリメイク映画にて俳優のチャン・グンソクと共演。同作は日本でも公開され、日本での知名度も一気に上昇した。
2012年には、彼女の代表作の一つとして挙げられ、日本でも人気のドラマ「紳士の品格」に出演。40代の恋と人生をコミカルに描いた同作で12年ぶりにドラマ作品へ復帰したチャン・ドンゴンの相手役のソ・イスを熱演した。多くのラブコメディーをヒットに導き“ラブコメの女王”と呼ばれてきた彼女は、本作でも愛らしいヒロインを体現した。
近年ではテレビショッピング界を舞台にしたドラマ「キルヒール」(2023年)に出演し、妬み、猜疑心、復讐が絡み合う愛憎劇の中でプライドを懸けた戦いを繰り広げる主人公ウ・ヒョンを演じ、ラブコメディーでは見せないシリアスな演技で視聴者を魅了した。
そんな彼女が出演する最新作「レッド・スワン」では、チョン・ジフン演じるボディーガードに守られる主人公のワンスを演じている。財閥家の秘密と欲望を暴くスキャンダラスなサスペンスである同作で、大財閥“ファイン家”に嫁いだ元プロゴルファー・ワンスはある日、何者かに銃撃される。一方、友を殺した犯人を捜す元警察官・ドユン(ジフン)は、自分が追う犯人がワンスを狙った者と同一人物、しかもその黒幕はファイン家の人間だと考え、彼女のボディーガードとなって共にファイン家の秘密を探り始める――。
第1話から何者かによって銃の標的にされ、偶然居合わせたドユンに間一髪のところで救われたワンス。ハリウッド映画さながらの爆発や銃撃戦が繰り広げられ、手に汗握る展開が描かれた。
また、ハヌルが演じるワンスは元プロゴルファーという役柄でもあり、役作りに関して「ゴルフの経験はありますが、プロではないので練習をしてもなかなかうまく表現ができませんでした。ゴルフの練習が一番多かったと思いますね」と同作の制作会見で明かしている。
7月10日に配信された第3、4話では彼女を取り巻くファイン家の人々や夫キム・ヨングク(チョン・ギョウン)の愛人チャン・テラ(キ・ウンセ)らに追い詰められる姿が描かれた。クセの強い人物ばかりに囲まれながらも孤軍奮闘するワンスに対し、一定の距離を保ちながらも高い包容力で彼女を守るボディーガードのドユンとの関係性にも興味津々な声が多い。
謎に包まれたサスペンスであり大人のラブストーリーも期待できそうな本作。ファイン家の人々に真相を握りつぶされることなく、ドユンと協力しながら立ち向かっていくワンスの姿に期待したい。
「レッド・スワン」は毎週水曜にディズニープラスで独占配信中。第5、6話は7月17日(水)に配信される。
◆文=suzuki
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