【漫画】知っておいて損はない、出産の知恵…作者が“トイレで鼻をかむ練習”をした体験談に「グッドタイミングでいいこと聞いた〜」

2024/07/23 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

友人の助産師さんに“イキみ逃し”のコツを教わったところ…画像提供/らっさむさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、Kindleで無料漫画を多数公開しているらっさむさんが描く『出産前には、トイレで鼻をかもう』をピックアップ。

2024年6月7日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.8万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、らっさむさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描いた際のこだわりについて語ってもらった。

上手な“イキみ逃し”の練習に、トイレで鼻をかんでみて!

『出産前には、トイレで鼻をかもう』より画像提供/らっさむさん

作者のらっさむさんは、次女を妊娠しているとき、友人の助産師さんから“イキみ逃し”のコツとして「出産前には、トイレで鼻をかんでみて!」とアドバイスを受ける。“イキみ逃し”とは、お産をスムーズに進めるために、子宮口が全開に開くまで陣痛がきてもいきまないようにすること。

助産師さん曰く、トイレで鼻をかむときの呼吸法が“イキみ逃し”と同じそうなのだ。作者は言われた通り、実際にトイレで鼻をかんでみて、感覚を掴んでから出産を迎えた。すると、陣痛開始から2時間、産院到着後なんと20分で次女が誕生。会陰切開なしで終える超安産だった。無事に出産を終えた作者は、「1人目のときから知りたかった」と思ったそうだ。

本作の投稿には、出産経験者からは「この情報知りたかったー!」という声が寄せられ、現在、妊娠している人達からは「グッドタイミングでいいこと聞いた〜」「トイレで鼻をかんで練習します!」とのコメントが集まった。漫画には“イキみ逃し”のコツが詳しく描かれているので、出産を控える人にはぜひチェックしてほしい。

作者・らっさむさん「いかに私たちが『何も伝えられていない状態』で、出産に臨んでいたか」

『出産前には、トイレで鼻をかもう』より画像提供/らっさむさん

――『出産前には、トイレで鼻をかもう』を創作したきっかけや理由などをお教えください。

もう8年も前になるんですが、次女を出産したときの助産師さんたちがめちゃくちゃ優秀な人ばかりで、ずっとこうした内容は描きたいと思っていたんですね。

で、今年になって、出生率の低下のニュースを見ていて、「子育てなんてただせさえたくさんの人たちの手を借りながらじゃないと大変なのに、産む人がマイノリティになった社会って、きっとしんどいよな」って思ったんです。やっぱり、社会はマジョリティに合わせて設計されていることが多いので…。

で、少しでも何か、これから産む人たちに「出産」のイメージを怖いものと思わないでもらいたい、出産自体を楽にしてもらいたいなぁ、と思い、漫画にしました。

――本作を描く上で、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。

あまり医学的なことに踏み込まずに書くことは意識しました。出産の痛みとかダメージを軽減する方法って、助産師さんの経験則として受け継がれている部分が多いみたいです。

本当は、助産師の友人も「こんなメリットもこんなメリットもあるんだよ!」と話してくれていたのですが、医学的に踏み込んだ内容は誤解を与えかねないので、かなり削りました。

そのため、漫画自体、ちょっとわかりにくい部分もあったと思い、Xではコメント欄に追記をのせているんです。

追記:
排尿するときって、尿道とか子宮口がきゅってしまっていない状態なんだそう。その状態で、肛門にむかってハーッと息を吐くのが理想で、それをわかりやすくいうと、(鼻詰まってないときに)鼻かむときのふーんだよ!って話。

↑これなんですけど、こういう感じで、わりと「何を伝えて、何を伝えないようにすべきか」ということは、かなり気を遣いました。

――X(旧Twitter)の投稿には多くの“いいね”とコメントが集まり、妊娠・出産への興味・関心の高さが伺えました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか?

ここまで多くの方がリアクションをしてくださるとは、正直、思っていませんでした。「もっと早くに知りたかった!」という声が本当に多くて、いかに私たちが「何も伝えられていない状態」で、出産に臨んでいたかを改めて実感しました。

なんていうか、助産師さんのようなプロにとっての「あたりまえ」って、思った以上に知られていないんですよね。逆に、助産師の友人は、少子化の影響で割と自信をなくしていたところがあったのか「まだまだ、自分にできることはあるって自信になった!」と話してくれました。ありがたいです。

――今回の“トイレで鼻をかむときの呼吸法”の他に、妊娠・出産にまつわるアドバイスがありましたらお教えください。

私は、第一子を病院で、第二子を助産院で出産しました。助産院で出産するって、母体の状態が安定しているなどいろいろハードルがあるので、誰もが望んでも叶えられるわけではないんですよね。だからなかなかおすすめしにくいんですが、

私は、妊娠→出産するまでの間、あんなにまで「全肯定」された期間はなかったなあ、と思いました。スタッフの方たちのサポートがとにかく手厚くて、、私は病院の分娩台が本当に苦手で、開脚できなくて足がつったりしていたので、床に横になって好きな体勢で産ませてもらって、しかも、最後は赤ちゃんの腋の下に両手を添えて、自分で我が子を取り上げられるとかびっくりしました。「何言ってんの?」って感じでしょうけど、本当なんですよw。自分で産んだんだ!って実感がすごくわきました。

超スピード出産でも、会陰切開せずにすんだのは、やっぱり助産師さんたちの腕だったり、こうした情報の有無だったりするのかなあ?と思い、出産する場所の選択肢があるなら「人」で選ぶのも一つかなあ、と思っています。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

漫画を読んでいただき本当にありがとうございます。いろんなことがあるけど、漫画を読んでる間だけはすべて忘れられる!と思ってもらえるような漫画を目指して描いています。今後も、漫画を通じて、いろんな感情を共有させていただけるとうれしいです。引き続きよろしくお願いします。