コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はマンガワンにて連載中の、歌舞伎町の夜の世界をリアルに描く『星屑の王子様』(小学館)から『コンカフェ嬢に恋』をピックアップ。
作者の茅原クレセさんが5月15日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、6.6万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・茅原クレセさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
歌舞伎町に、コミュ障を治そうと夜の仕事のキャッチを始めた男がいた。仕事中、歌舞伎町という感じのかわいい女の子が客引きしているのを見かけた。彼女はじろじろ見ていると、目が合い笑いかけてくれた。「俺のこと気になるのかな…」と思う男だった。
その後もそこを通るたびにレスをくれるようになった。彼女がコンカフェ・キャンディに所属するきららちゃんという子だと分かった。店に行くとただの客になってしまうことを懸念する男。今日もいるかな、と見渡していると、彼女と目が合いこちらに向かってきた。声をかけられ「毎日大変だね。甘いのいる?」とケーキをプレゼントされた。
ある日、スーパーできららを見かけた。距離の近さを感じ、「俺に声かけられ待ち⁉」と思う男。口を開いたそのとき、残酷な真実を目の当たりにする。果たしてあのとき、きららがケーキをくれた理由は何だったのか。
かわいいコンカフェ嬢に対し、自意識過剰になってしまうキャッチへ「現実見ような!」「目を合わせてはいけない」との声が寄せられている。「歌舞伎町の解像度高い」「勘違い男の解像度高すぎる」「解像度高すぎて過呼吸」とリアルな描写も話題となっている。「この顔面は惚れちゃう」「かわいいー‼」ときららに恋する読者も続出した。
――『星屑の王子様』を制作したきっかけをお教えください。
ホストの悪質手口、売掛問題が一般に知られる以前だったので、それが広く知られるといいなと考え制作しました。ホストにハマって人生を捧げよう、となる前の人間に、ハマらせるための手法や環境が存在してる、という事前情報があれば一考する機会になるんじゃないかと。
――リキヤ、レイ、ギンジさん、各ホストのお客さんや各グループのホストなど多様なキャラクターが登場されますが、キャラクターデザインへのこだわりや性格等意識されていることがございましたらお教えください。
リアリティラインを上げたかったので、こういう人、いるなあと感じていただけるように、歌舞伎町に出て、通行人の写真を撮って参考にしたり、ホスト雑誌を読んだりします。
――読者のみなさんから「世界観や発言、容姿がリアル」「歌舞伎町って感じ」と話題ですが、どのように発想や知識を得ていらっしゃるのでしょうか。
連載の際に歌舞伎町に引っ越しました。時間が出来ればお店や路上にいる人にお話しを聞くようにしています。
――『星屑の王子様』の作中で、特にお好きな回や展開・セリフ等ございましたらお教えください。
第18話です。内勤の弟がホスト通いの彼女に絶望したあとに皆にフォローされている回で、ホスト、ホスト客、ギャラ飲み女子、キャバ嬢、キャバ客と全員コミカルにしょうもない過ごし方をしているのを詰め込むことができて満足しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
正直当初の目標は連日のニュースや取り組みによって思いがけず達成しているのですが、歌舞伎町に行くと手を色々変えて結局あまり変わっていないなとやはり感じるので、(売掛がなくなっても個人立て替え、キャッチがいなくなっても無料案内所の人がスレスレでやっていたり…)今後も根気よくこの調子で伝えていければと思います。
――最後に楽しみにしている読者やフォロワーの皆さんへのメッセージをお願いいたします。
反面教師として楽しんで頂けると幸いです。
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