除幕式の翌日、検察から目をつけられていたスニャングループへ家宅捜索が入った。あいさつのなかでソンジュンが「今後は系列会社間の株取引で発生する膨大な税金も全て誠実に納付します」と、グループの闇を匂わせるような言葉を言ったからだ。
しかし事前に捜査が入る情報を得ていたユン・ヒョヌたちは、コンピュータや資料を別のものにすり替えていた。やり手のユン・ヒョヌの手腕によって、立ち入ってきた検察官ソ・ミニョン(シン・ヒョンビン)らが手がかりを掴むことはできなかった。
しかしコンピュータの復元と資料の廃棄を依頼したシン・ギョンミン(パク・ジニョン)から、リストになかった書類が見つかったと報告を受けたユン・ヒョヌ。内容を確認してみると、十数年にわたって裏金工作に使われたと思われるペーパーカンパニーに関する資料だということがわかる。すぐさま本部長のキム・ジュリョン(ホ・ジョンド)に報告をしたユン・ヒョヌだが、キム・ジュリョンはその場で資料を破棄してしまう。
余計なことはするなとキム・ジュリョンから忠告を受けたユン・ヒョヌだが、ことはスニャングループの危機。念の為撮影しておいたデータをもとに、ソンジュンにペーパーカンパニーの件を伝える。
しかし、話の最中に部屋にやってきた部長キム・ジュリョン。とっさに原本は自分が破棄したと嘘をつくユン・ヒョヌだったが、ソンジュンはユン・ヒョヌの表情から言葉の裏に気づく。「よく考えて答えなさい」とキム・ジュリョンに真相を詰め寄った。知っていたなら金に目がくらんだ男、知らなかったなら無能…どちらに転んでも救いはない問いだ。
ソンジュンは、ペーパーカンパニーの存在を知っていたことを認めたキム・ジュリョンをその場でクビにする。そしてユン・ヒョヌを財務チーム長に任命し、ペーパーカンパニーの資金回収を任せるのであった。
ソンジュンの指示により、海外に流れた資金を取り戻すためにトルコへ向かったユン・ヒョヌ。無事に資金の回収に成功しタクシーに乗り込んだが、なぜか車はどんどん怪しい路地に向かっていく。道中でタクシーと並走する怪しい車を発見したユン・ヒョヌは、急いでその場から逃げ出して警察に助けを求めようと駆けだす。しかし近くにいた少年たちの1人にぶつかると、急にその場へ倒れ込んでしまう。少年たちは倒れ込んだユン・ヒョヌを囲み、見せつけるように空の注射器を落とす…。
ユン・ヒョヌが意識を取り戻したとき、彼は崖の上に連れていかれていた。目の前には、なぜか部下のシン・ギョンミンの姿が。凶行の理由を尋ねると、「チーム長が教えてくれたじゃないですか。上からの命令を拒まず、質問せず、判断するなと」と答えるシン・ギョンミン。そしてユン・ヒョヌは男たちに銃で撃たれ、崖から転落してしまう…。
理不尽な死を迎えてしまったはずのユン・ヒョヌ。しかし再び目を覚ますと、そこはソウルオリンピックを翌年に控え、民主化へと突き進む激動の1987年の韓国だった。車内には若かりし頃のスニャン一族の姿が。窓ガラスに映る自分の姿を見ると、そこにはスニャン財閥の末息子チン・ドジュンが映っていた…。
第1話では、ユン・ヒョヌの有能だが機械的で沈着冷静な人柄が垣間見えた。そしてストーリーに大きくかかわる財閥“スニャン一族”の闇や関係性が描かれている。
グループのために献身的に働いてきたにも関わらず、ひょんなことからあっけなく殺されてしまうユン・ヒョヌ。先代が税を逃れるために作ったペーパーカンパニーの問題をはじめ、スニャン一族の知られざる闇の大きさはまだまだ底知れない。
気になるのは、なぜユン・ヒョヌが殺害されてしまったのかだ。グループのため、これ以上ないほど献身的に動いていたはずのユン・ヒョヌ。改革気質であるソンジュンに利する行動が、眠れる獅子を起こしてしまったのだろうか。
そして、ソンジュンがヨンギと話していた「過去の事故」とは一体何なのか。スニャン一族の三男に転生したユン・ヒョヌがなにを成すのかとともに、さまざまな謎の解明に注目していきたい。
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