【漫画】”エゾヒグマ”を狩りにきた女性猟師が、雪山で遭遇した“タヌキ”の行動に驚愕…「可愛すぎるw」「この顔好き」と夢中になる読者続出

2024/08/01 18:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

雪の坂道を転び落ちてしまった、どんくさいタヌキ(C)安島薮太/新潮社

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、くらげバンチで連載されている安島薮太さんの『クマ撃ちの女』より、第103話(X投稿時のタイトルは『クマ狩りの最中に野生動物に癒される話』)をピックアップ。

2024年5月24日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.7万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、安島薮太さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

クマ目的で北海道の雪山にやってきたのだが…

『クマ撃ちの女 103話』より(C)安島薮太/新潮社

主人公・小坂チアキの職業は兼業猟師。“日本最強生物”と言われるエゾヒグマを狙って、北海道の山へ入っている。この日も、仲間と2人で雪の積もった山を登っていた。しかし、たくさんのカラスがいて騒がしく、クマには出会えなさそうな気配が漂っていた。

目的のクマが見つからず無駄足にも思えていた一方で、珍しい動物と出会う。“シロフクロウ”だ。夜行性な上、雪が積もった昼間には景色と紛れて普段はなかなか見つけることができない動物だ。さらに他にも、北海道で人気の鳥“シマエナガ”や“ユキウサギ”、“クロテン”などまるで動物園かと言わんばかりに、たくさんの動物達と出会うことができた。

中でも2人が爆笑した動物は、“タヌキ”だ。最初はモタモタとどんくさそうに歩くタヌキをただ眺めていたが、ある仕草に思わず吹き出してしまった。自分たちの前の山道をゆっくりと登っていたタヌキが、足を滑らせたと思ったらそのままゴロゴロゴロ…と足元まで転がってきたのだ!そして、目の前で仰向けになったまま固まってしまい、一向に逃げる気配がない。理由は不明だが、タヌキは時々動かなくなるときがあるそうだ。

そんな間抜けに見えるタヌキに笑い倒れてしまった2人は、クマ狩りを諦めることにした。山中に響き渡るような笑い声を出してしまい、きっとクマもこの場から離れてしまっているだろう。クマが目的ではあったが諦めた2人の表情は笑顔で、満足そうに下山していくのだった。

『クマ撃ちの女』はクマとの命の駆け引きを描くヒリヒリとした描写も多いため、本作の投稿へは「珍しくホッコリ回」というコメントが寄せられ、「生き物いっぱいでてくる」「たぬき可愛すぎるw」など、たくさんの動物に癒された人からの感想が多く見受けられた。

作者・安島薮太さん「僕一人で描いているという感覚はありません」

『クマ撃ちの女 103話』より(C)安島薮太/新潮社

――『クマ撃ちの女』を創作したきっかけや理由などをお教えください。

元々は釣り漫画の企画を立てようと考えていました。だけどあまりうまくいかず、次の企画を考えていた際、当時の担当編集者が「釣り、漁師…山の方の猟師はどうですかね?」と連想していったところから始まりました。つまり適当ですね。クマ撃ちで有名な猟師、作家の久保俊治さんの存在を知っていて、格好いいなと思っていたこともあり、「ではクマ撃ちでいきましょう」となりました。ただ、僕自身が田舎生まれで祖父や弟が狩猟を行っていたりもして、割と作品のモチーフと近い所にいたのは大きいと思います。そうでなければ、「描こう」とはならなかったと思います。元々動物が好きで、人と動物の関係性に興味があったことも大きいです。

――X(旧Twitter)で大きな反響のありました103話(投稿時のタイトル『クマ狩りの最中に野生動物に癒される話』)では、動かなくなったタヌキをはじめ、作中の動物たちに癒された読者からのコメントがたくさん寄せられていました。動物を描く際に心掛けていることや力を入れているポイントなどをお教えください。

動物を描く時、ついつい可愛かったり格好良かったり、そういった「決めポーズ」的なところを切り取ってしまいがちです。でも人間と同じように動物は失敗もするし、間抜けな顔や仕草をすることも多いです。イメージで描くのではなく、なるべく生々しいところを描くよう、色々工夫はしています。

――103話の中で、安島さんが特にお気に入りのシーンを理由とあわせてお教えください。

冒頭に出てくるフクロウです。一見すると汚い雪のように見えるけど…というところをどう描いたら良いか最初わからず、苦労しました。でも、うまくいったと思っています。あとはやっぱりタヌキですね。タヌキ可愛いです。

――本作は現在13巻まで発売されていますが、作品の見どころや「ここに注目してほしい」などのポイントをお教えいただけますでしょうか。

これはどの漫画家さんもそうじゃないかなと思うのですが、たくさんありすぎてうまく説明できません。ただ、あえて言うならば、「狩猟を扱った漫画」としてではなく、「人を描いた漫画」として読んでいただきたいなと思っています。あとは、やっぱりうんちくの部分です。この漫画を描くために、たくさんの方からたくさんの時間を頂いてお話を聞かせていただいています。『クマ撃ちの女』は僕一人で描いているという感覚はありません。いろいろな人にお助け頂いて、なんとか描いています。そういった所が、読んでいる方に少しでも伝わったら嬉しいかなと思います。

――今後の展望・目標をお教えください。

『クマ撃ちの女』に限らず、できるだけ長く、自分が面白いと思える漫画を書き続けることです。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

連載している「くらげバンチ」や単行本等でたくさんの方に読んでいただくことが出来て、本当にありがたいです。「くらげバンチ」でのコメントを見ていると、本当に色々な方が色々な見方で読んでくださっているのだなと、驚いています。『クマ撃ちの女』、いつまで続くのか、いまの時点ではわかりませんが、いまお読みの方は読み続けていただきたいです。頑張って、面白いものを描き続けます。