現在はオーガナイザーとして、ダンスシーンの中心で活躍しているHIROと、先日開催された世界最大級ストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT VOL.24 FINAL」での活躍も記憶に新しいAlaventaのMiyuの師弟対談が実現! HIRO&Miyuと言えば、今年フランスで開催された“JUSTE DEBOUT”の優勝の印象がとても強いですが…、普段はお互いの事をどう思っているのでしょうか?
——お互い最初に会った時の印象は?
Miyu「最初にお会いしたのは、私が中学2年生の時です。…と言ってもその時は、特に会話はしていなく、バトルをしているHIROさんを私が観ただけで(笑)、一方的にカッコいいなって思っていました。その後、私が高校2年で出場した「WDC」で優勝した時、HIROさんにジャッジコメントを頂いたんですけど、その時、すごく細かくアドバイスして頂いたのを覚えています。その印象が強く残っていて、優しいというイメージです。」
HIRO「優しいなんだ(笑)…。僕がMiyuを知ったきっかけはONPARADEですね。そのグループの中にハウスをやっている女の子がいるっていうのは知っていて気になっていました。会話をしたのは、Miyuが言うとおり「WDC」のジャッジの時かもしれないですね。あの時Miyuは凄く頑張っていたので、自分的に、Miyuには将来こういうダンサーになって欲しいなっていう希望も含めて、アドバイスした記憶があります。」
Miyu「でも、ホントの意味での最初の出会いは、HIROさんの動画(を通じて)ですね。初めてHIROさんのダンスを観た時は本当に衝撃的で、何度も何度も動画を観てしまいました。HIROさんのダイナミックな動きに心奪われました。」
——「WDC」でアドバイスされた時に、Miyuさんはどう思いましたか?
Miyu「それまで、私の踊りに関して細かくアドバイスをしてくれる方があまりいなかったので、とても印象に残っています。いつもは、「よかったね」で終わってしまうんですけど、あの時のHIROさんは結構細かくアドバイスしてくれました。」
——それをきっかけにHIROさんとの距離は縮まったんですね。
Miyu「はい、HIROさんのレッスンに通い始めて、そこから色々学んで、話をしたりする機会が増えたと思います」
——HIROさんはMiyuさんとコミュニケーションを取る時、どんな距離難を心掛けていますか?
HIRO「ハウスっていうジャンルをやってくれている子に対しては、親心のような感じで“活躍して欲しい”って思ってしまうんです。ですので、コミュニケーションという意味では、ダンスの動きはもちろんですが、それ以外の部分で、例えば「ダンサーとしてどういう所を目指していって欲しいか?」「どういうビジョンで、どういう活動していくか?」など、人生の先輩として、色々な思いを伝えているつもりですね。」
——HIROさんは、Miyuさんのダンサーとしての進化の過程を身近で見てきた一人ですが、Miyuさんの成長をどう見て来ましたか?
「Miyuが海外に出た頃からですかね…彼女の踊り方に変化を感じたのは。今の彼女の年代の子たち(10代後半)は、このままダンスを続けることの意味を考えなきゃいけない時期に差し掛かっていると思うんです。このままダンスをフィジカルで練習していっても方向性が見えて来ない、イメージが湧かないと思うんです。そういう意味で、Miyu は自分の意思で海外へ行き、そこで色々なものを吸収した結果、それまでの機敏な踊りに加え、ナチュラルさとしなやかさもプラスされたんだと思います。そして、その踊りが色んな人に共感され、どんどんファンが増えていったと思います。」
Miyu「海外へ出たきっかけは、HIROさんの言葉に後押しされたのが一番強いです。ですので、HIROさんがいなかったら、今の私はいないと思います。海外では沢山の衝撃と刺激を貰い、ここで私のダンスに対する考え方が大きく変わりました。」
——HIROさんとMiyuさんの海外言えば、“JUSTE DEBOUT” での優勝(2017年)が思い浮かびますが。次もチームを組む予定はありますか?
HIRO「これはMiyuとの約束があるんです。」
Miyu「今度はHIROさんの力を借りるのではなく、自分の力であそこまで行って優勝するという約束があるんです。」
HIRO「僕が毎回パートナーを変えて“JUSTE DEBOUT”に出場するのには理由があって、1回目は先輩として、色々な面でサポートはするけど、それ以降は自分たちの力で勝ち取って欲しいんです。僕自身は「勝ちたいから、行く」とうより、その先のもっと大事なものがあるっていう思いを伝えたい、その為のサポートをしたいっていう思いが強いんです。ですので、Miyuには、今度は自分たちの仲間とそこにたどり着いて欲しいなって思いがありますね。基本、僕が一緒に出場するのは一回です。」
Miyu「前回HIROさんと出させて頂いて大切なことを沢山教えて頂いたので、もっともっとダンサーとして成長していき、自分の仲間と一緒にもう一度あの景色をみたいです」
——では、MiyuさんにとってのHIROさんはどんな存在ですか?
Miyu「もう説明するまでもないのですが、私のダンス人生において、考え方を180度変えてくれた人です。先ほどお話しをした、海外へ出るきっかけを与えてくれたのが、HIROさんですし、そこで成長出来たのもHIROさんのおかげですし。感謝しきれないほど、感謝しています。“必ずダンスで恩返しします!”って思っています。」
——HIROさんが、今後のMiyuさんに期待することは?
HIRO「とにかく、ハウスというジャンルをせっかく好きになってくれたので、このままどんどんファンを増やしてカリスマになって欲しいと思います。Miyuがその存在になってくれることで、ハウスを始めてくれる子が増えてくることが、僕らがそれまでやってきたことの未来に繋がると思うんです。今のダンスシーンは多様化していますが、ハウスという芯を貫いて、ハウスシーンのカルチャーだったり、コミュニティだったり、そういう部分を重んじてくれて、なおかつカリスマ的存在でもあるダンサーになって欲しいなと思います。それから、これはダンス以外の部分になるのですが、コメントをする機会をもらった時に、「自分はこう思っている」ってちゃんと自分の言葉で発言するように心がけて欲しいですね。Miyuは、すぐ笑ってごまかす時があるので…そういう部分でも成長していって欲しいですね。」
Miyu「ありがとうございます。」
HIRO「あと、いつになったらイングリッシュチャレンジ(英会話の勉強)するの?」
Miyu「(笑)。勉強はしているんですけど…。」
——やはり英語はマストですか?
HIRO「ダンスをしている以上、英語はスタンダードですからね。とは言え、日本人は全然しゃべれない、僕はレッスンの時に生徒の中に外国人が一人でもいたら、基本は英語でやるんです。日本人に会わせるのではく、わざわざ来てくれた外国人に合わせるんです。それもあって、イングリッシュチャレンジは、色んな人に、「やろうよ」って言ってます。」
——Miyuさんどうでしょう?
Miyu「学習する意欲はとてもあって、今一番の課題だと思っています。今の時代英語ができる事が当たり前だし、今後ダンスをして行く上で必ず必要になる事なのでしっかり勉強します。」
HIRO「じゃあ、いつまでに出来るようなる? ここで宣言してみる? しゃべろうっていう気持ちを持つと、だんだん覚えるようになるよ。そこはダンスと同じで、やらないと一生出来ないよね。受け身ではダメ。自分からやるって決めていかないとね!」
Miyu「(苦笑)」
HIRO「ホント、Miyuは、笑ってごまかすからね(笑)。」
——では最後になりますが、HIROさんは、今の10代のダンスシーンを見ていますか?
HIRO「とにかく昔よりダンス人口が増えて環境も恵まれていて、注目もされるし、やれることもいっぱいあって、すごくいい環境になっていますね。ただ、その代わり早く燃え尽きてしまう子も多いと思います。ある程度まで行くとそこから先は、ダンスが上手いだけじゃなく、“ダンスでどんな目標を持つか?”だと思うんです。ですので、ちゃんと目標をもって欲しいなって思いますね。それで言うと、Miyuまさにそのど真ん中にいて、影響力も持っているので、より多くの10代ダンサーを導いて欲しいですね」
(撮影●幸田昌之)
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