「マーベル的に絶対NG」発言から“スーパーヒーロー映画疲れ”までネタに…“デップーらしさ”詰まった作品<デッドプール&ウルヴァリン>

2024/07/25 12:45 配信

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「デッドプール&ウルヴァリン」より(C) 2024 20th Century Studios / (C) and TM 2024 MARVEL.

X-MENユニバースとMCUが合流


これまでデッドプールは、映画「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(2009年)にミュータントで構成された特殊部隊「チームX」の一員として登場。2016年に単独主演映画「デッドプール」、2018年に続編「デッドプール2」に登場。ウルヴァリンは2000年にスタートした「X-MEN」シリーズのほとんどに出演し、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」、2013年の「ウルヴァリン:SAMURAI」、2017年の「LOGAN/ローガン」に登場している。つまり、デッドプールとウルヴァリンは、MCUとは異なるマーベル映画で活躍してきた。しかし今作ではX-MENユニバースとMCUが混ざることとなった。

それによって、本作の中にドラマシリーズ「ロキ」(2021年ほか)に登場した時間変異取締局「TVA」が登場し、マルチバース、神聖時間軸といったものも取り入れられている。さらに「ドクター・ストレンジ」シリーズに出てくるA地点とB地点をつなぐワームホールを含むマルチバースをつなぐゲート“ポータル”も登場。ポータルに向かって走っていく2人の姿が予告映像でも見られた。そんなふうにMCUの過去作絡みのものも本作に多く登場している。

こうなると見る前にいろんな作品を見て予習しなければいけないのか?と思うかもしれないが、主人公のデッドプールがおしゃべりなように、この作品の中でもしっかりと説明するところはしてくれるのでショーン・レヴィ監督が「この映画を見るのに予習はいらない」と断言している通り、予備知識がなくてもたっぷりと楽しめるのも大きな特徴。ただ、過去作を知っていると小ネタでクスッと笑えたりするシーンも見られるのでちょっとお得な気分になれる。それに、カメオ出演も多く、思いがけないキャラの登場に驚くことも多々あるはず。予告編にも登場していたので書いてしまうが、「LOGAN/ローガン」に登場したX-23ことローラも登場する。演じているのは、先日ディズニープラスで最終回まで配信されたドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アコライト」でジェダイ“ジェキ”役で視聴者の目を引きつけたダフネ・キーン。当時11歳だったが、現在は19歳に。

謎多きヴィランも強烈なインパクト


他に誰が登場するのかはネタバレになってしまうので明かさずにおいておくが、今作で登場するこのキャラについては触れておかねばなるまい。それは謎多き最凶のヴィランと言われている“カサンドラ・ノヴァ”。エマ・コリンが演じる個性的な風貌のキャラクターで、これまた予告編でも見られるが、ウルヴァリンを軽々と床にたたきつける強力なパワーの持ち主。カサンドラが何者なのか?というのも映画館で確かめてほしい。

あと、音楽も魅力的。ライアン・レイノルズがマドンナに「ライク・ア・プレイヤー」の使用を直接交渉したことが話題となっていたが、他のアーティストの楽曲も含め、それぞれのシーンに合ったものが使われている。アヴリル・ラヴィーンも自身のInstagramにニューヨークでのプレミアで本作を見たことを伝え、「この作品の中で私の曲『I’m With You』が聴けたのは素晴らしかった!」と感想をつづり、ライアン・レイノルズヒュー・ジャックマンとの3ショットを投稿している。

日本は最速公開ということで、「何を話してもネタバレになるから何も言えないけど良かった」「観た後に関連している過去作を見たくなった」「葛藤を描き、おふざけも挟みつつ、クライマックスで泣かされた」など、早速SNSに見た人の感想があふれ、「#デッドプール」や「#デップー」などがトレンド入りするほど、反響が集まっている。

なお「デッドプール」過去作はディズニープラスで配信中。

◆文=田中隆信

「デッドプール&ウルヴァリン」ポスタービジュアル(C) 2024 20th Century Studios / (C) and TM 2024 MARVEL.