本作では、最後まで犯人が分からない点も見どころの一つとして挙げられる。例えば序盤では、イングリッドの身の回りで起きる不可解な出来事は、いかにも怪しいジョンの仕業かのように描かれている。その一方で、途中からジョンが体を張ってイングリッドを守るような描写も盛り込まれているため、最後まで確信が持てないのだ。
また、ジョン以外にも“怪しく見える人物”が登場し、観る者を惑わせていく。その1人が、最初から事件を追っていたナッシュ巡査部長。イングリッドの部屋に何者かが侵入し落書きをした際など、しきりに“ジョンが犯人だ”とイングリッドに訴え続けるのだが、それが逆にジョンに罪をなすりつけようとしている感じが否めない。
さらにイングリッドの婚約者・マークも、亡くなったイングリッドの同僚に個人的に連絡を取っていたり、捜査を尾行したりと、随所に怪しさを覗かせる。しかし彼らの言動は、あえてジョンから目を背けるように仕向ける“ミスリード”とも捉えられ、その結果“本当に犯人はジョンなのか?”と混乱させられてしまうのだ。
そんな本作では、イングリッドをストーキングする“犯人視点”のカメラアングルが多用されている。そのため、“いつ犯人が襲い掛かってくるのか”と終始ハラハラドキドキの演出を楽しめる点も、本作の魅力ポイントと言えるだろう。
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