【漫画】“学校に戻ること”だけが正解じゃない…不登校の息子を持つ母親がカウンセラーの先生に救われた実話に「勇気をもらった」の声

2024/08/05 08:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

まさか自分の息子が不登校になるなんて...画像提供/川口真目さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、不登校の子供を持つ親や不登校経験者から大きな反響があった人気作品「子どもが不登校になったのでいろんな人に頼ってみた」をピックアップ。

作者の川口真目さんが6月24日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて5000以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では川口真目さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

不登校の息子を持つ母親を救ったのは…

「子どもが不登校になったのでいろんな人に頼ってみた。」より画像提供/川口真目さん


川口真目さんの息子は小学4年生のとき、学校に行けなくなった。友達もいたし、勉強も苦手な方ではない。そんな息子が不登校になるなんて、思ってもいなかった…。

不登校になってから、息子は習い事にも行けなくなり、ひたすらゲームをするように。そんな姿を見てこのままではダメだと思った川口さんは、担任や学校幹部、スクールカウンセラーと話し合った。

しかし、「そんなふうには言ってません」「クラスメイトに証言をとってみます」「無理してこなくていいですよ」と言われ、どうしたら良いのか分からない状態に。

そこで川口さんが頼ったのが、カウンセラーの先生。親子でカウンセリングに行き、先生に本音をぶつけた。そして、先生の“ある言葉”に川口さんは救われた…。

息子が不登校になってから様々な人を頼り、不登校を乗り越えるまでを描いた本作。読者からは「涙しながら読みました」「勇気をもらえました」「学校が、しっかり理解しておくべき内容」「素晴らしいマンガ」など多くのコメントが寄せられている。

「学び方は一つじゃない…」作者・川口真目さんが語る創作秘話

「子どもが不登校になったのでいろんな人に頼ってみた。」より画像提供/川口真目さん


――「子どもが不登校になったのでいろんな人に頼ってみた」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

不登校のことをSNSで発信する中で、不登校で悩んでいる親子がたくさんいることを知りました。その人たちに、そして不登校を批判する人たちに、「学び方は一つじゃない」ということを伝えたいと思いました。

息子は今、自分で決めて学校とフリースクールに通っています。他の子と違う学び方をしています。病気じゃないのに学校を休んだり、集団登校ができなかったり、みんなと違うことをすることは賛否両論の意見をいただきます。でも、これも一つの学び方の選択として、知ってほしいと思いました。

――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

P8のカウンセラーさんの言葉「親の愛情が足りないんじゃなくて、不登校で傷ついてるから『いつもより』愛が必要なのよ」という台詞です。この言葉に私はとても救われました。

世間では「不登校親は育児失敗」と思われることもあります。だから私が悪いのだと自分を責める親は少なくないです。私も実際にSNSで言われて傷つきました。でも、そうじゃないんだと教えてもらいました。

子どもでなくても大人でも、傷ついたときは「いつもより」愛情や休息が必要になります。だから、学校から離れて、家族で楽しく過ごす時間を作ろうと思いました。

――不登校の子供を持つ親や不登校経験者の方から大きな反響がありましたが、そんな読者に向けて伝えたいメッセージがあればお教えください。

「不登校」というとネガティブなイメージがあると思います。でも、私はそれだけじゃないと思っています。不登校になるには、まず子どもが学校に行かないという行動を親が許さないと始まりません。

親が学校に行かないことを絶対に許してくれないとわかっていたら、子どもは無理してでも学校に行きます。だから、不登校の親御さんは、子どもと向き合っている状態なんです。これは愛情がないとできないことだと思います。だから自分を責めないでほしいです。

「学校に行かなくちゃいけない」「休んではいけない」そういう今まで当たり前だった価値観より、もっと大切なことがあるんじゃない?そろそろ新しく考え方を変えてもいいんじゃない?って、不登校の子は教えてくれているのだと思います。

――川口真目さんは本作以外に「子育てしながらフリーランス」等を描かれていますが、普段作品を創作するうえで心掛けていることがあればお教えください。

どの作品も「もっと楽になるにはどうしたらいいかな?」が根っこにあります。不登校もそうですけど、私たちは小さい頃から無意識に感じている価値観をもっています。「学校に行かなければならない」「会社を辞めてはいけない」「育児も家事も頑張らなくちゃいけない」こういう誰かが決めた固定概念が、自分にも合うものとは限りません。

「これは自分が楽になるためには必要ないな?」と思うものは崩して行くことで、本当にやりたいことや、本当に大切なことを見つけることができると思います。

――今後の展望や目標をお教えください。

「楽になる親が増えれば、子どもが生きやすくなる」そのための本や講演会を続けていきたいです。私、親ととてつもなく仲が悪かったんです(笑)。和解するまで30年以上かかりました!

でも本当は、小さい頃から、私は親に笑っていてほしかったんですよね。子どもは親が好きなんです。嫌われてると思っても。そのときの夢が、今も続いている感じです。具体的なやりたいことの一つは、不登校の本、出版したいですね…!この漫画のつづきを描く感じで。

――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。

いつも漫画や発信を見ていただき、本当にありがとうございます!私はサボりやすい性格なので、みなさんのコメントやメッセージが私の原動力に繋がっています。私の夢は、もっと楽に生きていくこと。そんな人が周りも増えて行ったら、「ひとりの楽」から、「みんなで楽しい」に変わるんじゃないかなと思っています。