──ここからは少しプライベートについて聞かせてください。「ブロードキャスト」は湊かなえさん原作だったことも決め手の一つだとおっしゃっていましたが、本はよく読まれますか?
最近はあんまりできていないですけど、以前はよく読んでいました。好きなほうだと思います。
──新さんにとって、読書はどんな時間ですか? 感情を知るための時間なのか、リフレッシュなのか。
感情を知るためかな。物語を読むことが多いのですが、読みながら「なんでこういう感情になるんだろう」と考えています。変な読み方ですよね(笑)。
──常にお芝居や、お芝居に繋がることを考えているんですね。
そうですね。
──リフレッシュの時間や、オンとオフの切り替えみたいなものは?
ないですね。休みの日も映画とかドラマを見て、演技について考えちゃってます。
──ここまでお話を伺ってきた感じだと、それも純粋に楽しんで見ているわけではなさそうですよね?
はい(笑)。本当は楽しんで見たいんですけどね。「なんでこんな表情してるんだろう」とか考えちゃうんですよね。別に芝居のためとかそういうことではなく、純粋に興味があるだけなんですけど。、表情分析の本を読んだり、表情心理学の勉強もしてたりします。
──今、マネージャーさんから「ご飯を食べているときなどもずっと人間観察をしている」というタレコミが(笑)。
人間観察は24時間していますね。街を歩いていても、偏見ですけど、「こういうガタイで、こういう歩き方をしていて、こういう髪型で、こういう顔のパーツをしているから……たぶんあの人はこういう性格だろうな」とか「こういう服装で、こういう歩き方をしていて、こういう姿勢だったら……」みたいなことを考えています。リフレッシュのために散歩に行こうと思って家を出ても、例えばコンビニで見かけた雑誌の表紙とかから「このデザインいいな」とか「この色合いいいな」と思って、そこから自分のプロデュースグッズのことを考えて1時間経っていたり。全部無意識なんですけど。
──でもそれが楽しいと。
楽しいですけど、疲れます(笑)。
──とはいえ、最終的に全てがお芝居に繋がっているので、俳優という職業は天職なんでしょうね。
だと思います。これ以外できないです。
──では最後に、俳優としての今後の展望や、理想の俳優像を聞かせてください。
全部を圧倒できる役者になりたい。師匠に「舞台に1歩出た瞬間から捌けるまで存在感を消すな」と言われたんです。師匠はシェイクスピア作品の演出家なんですけど、「シェイクスピア作品の俳優は、舞台上にいる間、存在感は消さない。お前もそれでいろ」って。もちろんメインの役者さんたちのことは立てるんですけど、それでも“なんか目が行くな”って思われる存在になる。そういうことを忘れずに、ずっと俳優を続けていたいなと思います。そして最終的には、映像と舞台どちらでも活躍できるようになりたいです。
■取材・文/小林千絵
撮影/つぼいひろこ
ヘアメイク/小園ゆかり
スタイリング/こむらひかる
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