大竹しのぶ、“感情”をコントロールするために意識していること「感情的にも肉体的にも無理はしない」

2024/07/28 06:30 配信

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大竹しのぶにインタビューを行った撮影:永田正雄

頭の中の感情たちの世界を舞台に“カナシミは、必要なのか?”という深いメッセージで世界中に感動の渦を巻き起こし、「第88回米国アカデミー賞」で長編アニメーション賞を受賞した「インサイド・ヘッド」(ディズニープラスで配信中)の続編となるディズニー&ピクサーの新作「インサイド・ヘッド2」が8月1日(木)に全国公開される。このほど前作に引き続き日本語吹き替え版でカナシミの声を担当する大竹しのぶにインタビューを行い、前作からの変化についてや今作で最も印象に残った部分、感情をコントロールするために心掛けていることなどを聞いた。

同作は、日本に先駆けて6月14日から全米をはじめ世界各国で公開され、ついにこれまでNo.1だった「アナと雪の女王2」を追い越し、アニメーション映画史上世界No.1の世界興行収入となるなど、歴史的な大ヒットを記録している。前作で小学生だった明るく元気な女の子ライリーが高校入学を控えたティーンエージャーに成長。これまでの「ヨロコビ」や「カナシミ」などに加え、「シンパイ」「ハズカシ」「イイナー」「ダリィ」といった大人の感情たちが新たに登場し、思春期ならではの悩みや葛藤が描かれる。

「前回と同じようにすぐあの感覚を思い出しました」


――9年ぶりの新作となる「インサイド・ヘッド2」が間もなく日本公開されますが、今の心境はいかがでしょうか?

あれからもう9年もたつのかと驚いています。前回と同じようにすぐあの感覚を思い出しました。私にとっては2年ほどしかたっていない感じがして、カナシミちゃんが私の中にまだいました。

――前作公開時も大きな話題になりましたが、周囲の反響はいかがでしたか?

特に私の娘がこの作品の大ファンなんです。今回も海外の予告編などをチェックして、いち早く情報を教えてくれました。「インサイド・ヘッド2」でも引き続き私が声を入れるということで、うれしくて叫んでいました。

――9年ぶりの新作ということで、劇中のライリーも成長しました。大竹さんがカナシミを演じるうえで、前作からの変化は意識なさいましたか?

ライリーが大人になったということに関しては、それほど意識せずに取り組みました。ただ、前回はカナシミとヨロコビが大活躍して、冒険していました。それに比べると今回はそんなに活躍の場があるわけではないですが、それでもライリーが悲しい、つらい立場になったり、苦しい状況になると、カナシミはどうしようもなくなって、優しさを発揮する。誰かのために泣いているカナシミちゃんがいとおしくてたまりませんでした。

――そこがカナシミのお好きな部分なのですね。

そうですね。だからカナシミがいつもヨロコビのそばにいるという構図も分かる感じがするし、特にライリーがちょっとでも苦しいときは、カナシミの中に「ヨロコビに頑張ってほしい」という気持ちが常にあるような気がします。

――物語の中で、カナシミの他に推しているキャラクターはいますか?

言葉数が多いほうではないのですが、ハズカシの時々発する一言が何とも言えない。うまくできているなと思います。

大竹しのぶ撮影:永田正雄

“大人の感情”に感銘「今さらながら気付かされました」


――少女の頭の中を舞台にして、そこにある感情をキャラクター化して描くという斬新な作品ですが、今回の「インサイド・ヘッド2」ではさらに“大人の感情”も登場していますね。

子どもの頃にはなかった心配や、恥ずかしいという感情が大人になるにつれて出てくるんだなと、今さらながらそんなことに気付かされました。

――今回の作品をご覧になって、最も印象に残った部分はどこでしょうか?

前作でとても印象深かったのは、「人間の感情の中で最初に生まれるのは喜びである」「人間は喜びを持って生まれる」という考えのもとに作られていたということ。今回の「インサイド・ヘッド2」ではライリーが大人になるので、他の感情がいっぱい増えて、「ヨロコビ」が少なくなってしまうのかなとも思ったのですが、それはありませんでした。成長したからこそ、「ヨロコビ」の出番を多くするために他の感情が頑張るんです。

――大竹さんが、感情をコントロールするために普段から心掛けていることは?

感情的にも肉体的にも無理はしないということです。無理に人に合わせたり、出掛けたくない所に出掛けたりするようなことはしないですね。自分の心のままに生きていきたいなといつも思います。

――読者の方にメッセージをお願いいたします。

本当に色合いがきれいですし、大人が見て涙が出るほど感動的なストーリーなので、夏休みにご家族で見てほしいなと思います。一家で楽しめる作品です。

◆取材・文=原田和典

大竹しのぶ撮影:永田正雄

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